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長寿遺伝子のスイッチを入れて、脳のシミを取ろう

◆老人斑

「老人斑」と聞いて、何を思い浮かべますか?
顔のシミではないでしょうか。

顔のシミの正体はメラニン色素です。
メラニン色素は、皮膚を紫外線から守るという重要な役割を担っていますが、加齢による誤作動で、シミができてしまうのです。
早ければ50代から、ほっぺたに1cmくらいのうす茶色のシミができます。

「いつの間にこんなシミが」と、ある日突然気づきます。
最初はファンデーションでごまかせたのに、
そのうちメイクでは隠せなくなります。
そんな時は、レーザー治療がおススメです。

ですが・・・今回は顔のシミの話ではありません。

◆もう一つの老人斑

加齢にともない、脳にもシミができます。
これも「老人斑」と呼ばれています。
顔のシミはメラニン色素ですが、
脳のシミの正体はアミロイドβという老廃物です。

アミロイドβは、若いうちは上手に排泄できたのですが、
加齢により、脳内に蓄積するようになります。

認知症の人の脳には、多くの老人斑がみられ、
認知症に深く関わっています。

顔のシミはレーザーで取れますが、脳のシミはそんなわけにはいきません。
どうすればよいのでしょうか。

◆脳トレと運動

クイズです。
ドリルなどの「脳トレ」「ウォーキング」では、どちらが認知症予防になるでしょうか。

一概に言えないかもしれませんが、
「ウォーキング」に軍配が上がるでしょう。

頭を使うより、体を使った方が、頭が良くなるとは、
よく考えると不思議なことです。
「勉強するより、運動した方が頭が良くなる」というようなものだからです。

注:脳トレを否定するわけではありません。運動と脳トレの両方をするのが一番よいことは、言うまでもありません。

なぜ、運動が認知症予防になるのでしょうか。
「脳への血液の流れがよくなるから」というのは理由の一つですが、
それだけではないようです。

◆長寿スイッチ

東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利博士は述べています。
「1日8000歩、20分の早歩きによって、長寿遺伝子のスイッチが入る」

長寿遺伝子は、すべての人が持っている遺伝子ですが、
普段は眠っています。
運動を2か月続けると、この遺伝子のスイッチが入ります。
しかし、運動をやめると2か月で働きが失われてしまいます。

顔のシミはレーザーのスイッチですが、
脳のシミ対策は、長寿遺伝子のスイッチを入れましょう。

参考文献
1)青栁幸利監修:『100歳まで元気に歩く!正しい歩き方』, 洋泉社,2018

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