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〔執筆奮闘記12〕統計・データ

…医学情報の執筆に際しての孤軍奮闘記です…

★統計の力

統計には、人の心を動かす力があります。

年間1000万人がかかり、1万人が死亡している疾患は?
答え:インフルエンザ。

こんな文章を読むと、インフルエンザは恐いなと思います。
「たくさんの人がかかり、多くの死者が出ている」という言い方よりも、
具体的に数字は説得力があります。

「ノロウイルスの感染力はインフルエンザの1000倍」
「日本人の10人に1人が爪の水虫」
「高齢者の3人に1人が難聴」
「アニサキスの患者は、ここ10年で20倍に増加」

数字を示されると、ノロウイルス、爪の水虫、難聴、アニサキスは
他人事ではない、と危機感を覚えます。

「脂肪肝のマウスにレンコンを与えると、
3週間で肝臓の脂肪が62%減少した。」
「葉酸を多く摂る人は、心筋梗塞の死亡リスクが40%減った。」
「メタ解析で、コーヒーを日に4杯以上飲む群では全死亡率が低下した」

「レンコン、葉酸、コーヒーは、健康にいいですよ」と言われるより、
統計で示された方が、よーし、レンコンを食べ、葉酸を含む食品を摂り、
コーヒーをガバガバ飲むぞ、と意欲が湧きます。

統計データは、短い言葉で、人の興味を引きます。
引きつけた後、どうして健康に良いのか、
その仕組みを説明すれば、理解が深まります。

★由緒あるデータと、私だけのデータ

厚生労働省や論文の由緒あるデータには重みがあります。
しかし、色々なところで使われており、
「またあのデータか」と
飽きられるかもしれません。
(例:介護が必要な年数、男性9年、女性13年)

「患者さんに○○をしてもらったら、10人中7人が病気が良くなった」
というデータは、エビデンスレベルは低いですが、
世界に2つとない、「私だけのデータ」です。

統計のだましのトリックも沢山あり、
統計が必ずしも正しいとは言えません。
そんな欠点を知った上で、統計を上手に使ってゆきたいです。

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