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太る原因は「食べすぎ」ではなく「遅い夕食」

「時間栄養学」という学問をご存知ですか。

「時間栄養学」とは、「いつ」「何を」食べたらいいのか
という体内時計を考慮した栄養学のことです。

同じものを食べても、いつ食べるかによって、
体への影響は変わってきます。

◆夕食を減らすと、体重が減り、ウエストが細くなる。

食べる量は同じでも、朝食べるか、夜食べるかによって、
体重に違いが出てきました。

朝食を減らした人たちと、夕食を減らした人たちを比較したところ、
1日の食べる量は同じでも、夕食を減らした方が体重が減ることが分かりました。
また、夕食を減らした方が、ウエストが細くなりました。

参考文献より引用(一部改変)
参考文献より引用(一部改変)

朝食は、その日の活動の源ですので、血となり肉となります。
夕食の場合、後は寝るだけですので、血や肉にならず、
「脂肪」になります

◆夕食が遅い人は、太っている

夕食も、食べる時間によって、違いが出ています。

「週に3日以上、就寝前の2時間以内に夕食を食べますか?」の質問に
「はい」と答えた人を「夕食が遅い人」としました。

「夕食の遅い人」と「体形(BMI)」の関係の統計によると、
太っている人ほど、夕食が遅い人が多いという結果でした。

夕食後2時間以内に寝ると、食べた物がそのまま脂肪になってしまうのでしょう。

参考文献より引用(一部改変)

◆夕食が遅い人は、内臓脂肪が多い

夕食が遅くなり、食べてから寝るまでの時間が短いほど、
内臓脂肪が多い
というデータがあります。

参考文献より引用(一部改変)

脂肪には「皮下脂肪」「内臓脂肪」があります。

「皮下脂肪」は重要な酵素を分泌するなど、時には良いことをします。
短所ばかりではありません。
しかし、「内臓脂肪」は、百害あって一利なしであり、完全なる悪者です。

夕食を少しでも早く食べれる環境を整えましょう。

◆夕食を2回に分けると血糖にいい

どうしても夕食が遅くなる人は、夕食を2回に分ける
という方法もあります。

21時に夕食を摂る人は、18時に食べる人と比べて、血糖が急上昇しました。

そこで、18時に主食を、21時におかずを食べるという分食をしたところ、
血糖の上昇は緩やかになりました。

夕食が21時になってしまう人は、18時におにぎりを食べて、
21時におかずのみ食べるのはいかがでしょうか。

「食べすぎ」だけが太る原因ではありません。
「夜、食べすぎ」または「遅い夕食」が原因かもしれません。

参考文献
1)緒形ひとみ:「時間栄養学の視点からみた抗加齢対策」,アンチ・エイジング医学 16(1): 40-45, 2020
2)近藤知子, 高瀬秀人:「夜遅い食事と内臓脂肪の関係は?夜遅い食事は内臓脂肪蓄積を促進させますか.」,Q&Aでわかる肥満と糖尿病 9(2): 219-221, 2010

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