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認知症予防の切り札 シニア教室

◆同じ人と同じ会話

認知症の人は、消極的になりがちであり、家に閉じこもりがちです。
家では顔を合わす人も限られています。
会話も短く、ほとんどが日常生活のことばかりです。

「顔、洗った?」
「服は着替えた?」
「夕食はいつ?」
「今度の診察はいつ?」

認知症になると、言葉の能力が年々低下すると言われています。
毎日、同じ人と、同じ会話をしているため、
使う言葉も、聞く言葉も、限られてくるからでしょう。

◆衰える機能

近い家族であればあるほど、衰えた機能が気になってしまいます。
衰える機能に「運動機能」「話す機能」「認知機能」があります。

★運動機能の衰え

認知症になると動作がモタモタになり、遅くなります。
・服を着脱に時間がかかる
・食事に時間がかかる ボロボロとこぼす
・トイレに時間がかかる 失敗する

★話す機能の衰え

・しゃべるスピードが遅い
・言葉が出ずに、「あれ」「それ」「えーっと」が多い
・同じ話を繰り返す
・話の内容が支離滅裂で、何を言いたいのか分からない

★認知機能の衰え

・今がいつか分からない 何月なのか 何曜日なのか 朝なのか夜なのか
・ここがどこか分からない この部屋に見覚えがない
・目の前の人が誰か分からない 見たことがあるが、自分とどんな関係があるのか

◆衰えない機能

認知症になると、すべての機能を失うわけではありません。
「感覚(五感)」「感情(喜び、感謝)」など、
高度な機能が残っています。

★五感

視覚:赤、黄色、紫に映える花 真っ青に晴れた空 夜空に開く花火 
聴覚:鳥のさえずり セミの声 カエルの鳴き声 秋の虫の音 好きな音楽
触覚:小春日和のポカポカとした温かさ そよそよと吹く秋風
味覚:甘いお菓子 寿司 カレー パン
嗅覚:きんもくせいの香り 

★感情(喜び、感謝)

美しい景色が見れて嬉しい
心地よい音色や音楽が聞けて楽しい
人から優しくされて嬉しい 感謝

◆外に出て交流する

認知症になると「衰える機能」もたくさんありますが、
「衰えない機能」も、また、たくさんあります。
「衰えない機能」を生かすことにより、
「衰える機能」の低下を抑えることができるでしょう。

認知症予防に、「外に出て、多くの人と交流する」ことが勧められています。
幸いなことに、日本では高齢者対象の様々な教室があります。

運動教室、卓球、ヨガ、太極拳、社交ダンス、絵画教室、手芸、
音楽・楽器、囲碁・将棋


人と交流しながら、自分の趣味に合ったことをするのは楽しいものです。

認知症になってしまうと、なかなか外に出ることができません。
認知症の一歩手前、「軽度認知障害」の時がラストチャンスかもしれせん。
このとき社会に出て交流することによって、
認知症にならずに済むことは可能です。

「外に出て、人と会う」
「シニア教室で第二の人生を歩む」

これが認知症予防の切り札ではないでしょうか。

参考文献
1)青柳由則:『認知症は早期発見で予防できる』, 文藝春秋,2016

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