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読書感想文「塞王の楯」 矛盾の先にあること

矛盾することがあった時、どんな気持ちになりますか?
辻褄の合わないことに対して
「それ矛盾してるよー」と
腹が立ったり嫌な想いをしたりしながら
ため息をついて終わっていませんか?

矛盾しているそのことを
この本の匡介と彦九郎(げんくろう)ほどまではいかなくても突き詰めていくと、
考えもしなかったようなことがおこるかもしれませんよ。


「絶対に破られない石垣=最強の楯」を生み出そうとする匡介
「どんな城をも落とす鉄砲=至高の矛」を作り出そうとする彦九郎(げんくろう)

戦国時代
絶対に守りきる石垣を追求し、絶対に城を落とす鉄砲を追求し
全力でぶつかった先にある目的は、実は同じ

形や質は違っているけれど、最終的に願うことは1つ

「矛と楯、どちらが勝つかでその後の泰平の形や質が変わる」と匡介に伝える源斎

多くの矛盾が渦巻いていて迷う

二度と戦が起こらない世を作るために殺しの道具を作り続ける
決して使われることのない最強の砲を
互いに牽制だけしあって戦が起こらないように

二度と戦が起こらない世を作るために人を守る技を突き詰め続ける
決して破れぬ城を
互いに牽制だけしあって戦が起こらないように

自らがいらない世を、自らの手で築こうとする
戦がない世、人を守る技を振るう機会がない世を

誰もが抗える世を作る。それを世に見せつける
幼子でも女でも、抗って己の命を守れるように

「もう立ち上がるな」と思い
「立ち上がってこい」と思う
誰かを傷つけた手で、別の誰かを守ろうとする

人の心は矛盾だらけ

矛盾する想いを
どちらかが強くなりすぎないように切磋琢磨する

物理的、心理的に多くの矛盾がある中で
全力でぶつかった時、どちらも必要だと行き着いた
それは全力を尽くしたからこそ感じられ、納得できるもの

楯と矛はお互いに敵同士だけど、最終的に願うことは同じだったから、実は1番分かり合える人になっていた

矛盾することが起こった時
実は、それらの本質的な何かを掴めるチャンスなのかもしれないな


この本を手に取ったきっかけは、著者の今村翔吾さんが近所に来られることがわかったから。

数ヶ月前から本屋さんで気になっていた「塞王の楯」
本屋さんにいくたびに、手にとって戻して手に取って戻して・・・
存在感のある約4cmの分厚さに
本屋さんにいくたびに引き寄せられていました。

そんな悩んでいたのに、講演会に来られると聞いて即購入。
自分のミーハー度にあきれる・・・

ノリと勢いで購入したようなものですが
これだけ購入してよかった、誰かにこの感動を伝えたい、ぜひ読んでほしい、なんなら講演に追っかけてほしい・・・

なんて思った本はなかなかありません

ぜひ、本屋さんに行って、目についた1冊を衝動買いしてみませんか?
もしよければ「塞王の楯」を。

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