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【読書記録】「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」

おはようございます!
定期的に読書記録を書いてみようと思います。

今日は「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」堀内都喜子著(ポプラ新書)です。

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この本は、2020年1月に出た新書で、まさにコロナの直前に書店に並んだもの。
実は自分で買ったのではなく、父が読書後に「読んでみな」と言ってぽんっとくれました。
(父は定年退職後から読書を日課としており、もう10年以上、月に20冊以上読んでいます。)

著者は現在フィンランド大使館で広報に携わる堀内都喜子さん。
学生時代にフィンランドに留学し、そのまま5年間暮らした中で経験したことなどから様々なアプローチでフィンランド人の仕事に対する姿勢や考え方、魅力などを紹介しています。

読んでいく中でまずコロナ前と後とでもしかしたら読み方や印象が変わったかもしれないと思いました。
コロナの影響で現在はテレワークが進み、夫も完全在宅ワークになりました。
これは以前だったら考えもしなかったことでした。
平日5日間、朝は7時か8時頃家を出て、夜は22〜24時の間に帰ってくるような生活。
通勤に往復3時間以上、毎日満員電車での通勤です。

でも、この本で本当に伝えようとしているフィンランドの働き方や考え方はそういった"目に見えるもの"ではないのです。

いわゆる「ワークライフバランス」と「ゆとり」そして、フィンランド人の仕事に対するマインドです。
フィンランドは2018年から2年連続で幸福度ランキング1位になり、良い国ランキングでも1位になったそうです。
フィンランドと言えば、IKEAで有名なスウェーデンと並び北欧を代表する国。
ムーミンやマリメッコ、北欧デザインや家具など、わたしもデザイナーという職業柄、その魅力に注目してきた国です。
いつか行ってみたいな〜とも思います。

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幸福度ランキング1位になった理由として、社会保証が手厚く、質の高い教育、経済格差の少なさなどを著者はあげていますが、
1番はこの本のタイトルにもなっている「ワークライフバランス」につきると思います。

面積は日本と同じくらいにも関わらず、人口550万人程度と日本の北海道くらいの規模。
小国でありながらも経済を維持、成長しつつ、幸福度ランキングに入るその働き方はこれからの日本にも役立つマインドがたくさんありました。

ちなみに、わたしが読んでいて一番感じたのは、この本では企業に勤める社会人を元に話が進んで行くので、フリーランス的な思考とはまた別だということ。
有給や、夏休み、残業といった制度などはそもそもフリーで働いているとないので、その点については企業に勤める正社員の目線で読むと本当に参考になることが多く真似したい点も多いです。
逆に、フリーランスというのはその点のしがらみや葛藤のなさと、毎月決まった日に決まったお給料が入るという安定がないかわりに、自分の腕1本で生き抜いていくという力強さが必要なので、"残業をしない"とか、日本のように定時になっても帰れない空気のようなものとはだいぶ程遠い世界にいるな〜と率直な感想を持ちながら読みました。

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テレワークについてよくあがりがちなのは、在宅だと社員がサボるという視点ですが、この概念も違和感があるなとわたしは常々感じています。
そもそも時間で何時〜何時が勤務時間という働き方が自分にはあっていないのでどうしてもひっかっかってしまうところなんですが。
でも世の中にはいろんな人がいるし、タスク管理ができる社員ばかりではないと思うので、管理やマネジメントの立場になれば頭を悩ます当然の視点だと思います。

長年制作の仕事をしていると、"制作を納品する"というその1点で仕事をしているので、"出来上がったものが全て"です。
そこに対して、必要なものがあれば徹底的に調べるし、デザインのアイデアを模索するし、スケジュールやディレクションに対して関わる全ての人が滞りなく意思疎通が明確にはかれる努力を最大限にします。
当然複数進行していれば息つく暇もなくなるし、たまには睡眠を削るほど〆切が詰まることもあります。
納品が終わればぽかっと時間ができます。

そう言った仕事の過程全てにおいて、いわゆる"会社っぽい働き方"を自分はもう10年以上していないな〜と改めて感じました。
(良いとか悪いとかではなくですね。自分にはこの働き方がベストだとずっと思っています。)
この本の中でもあがっている、「定時になっても周りの人が働いているから帰れない」というような感覚をもったことは会社で働いていた時もずっとなかったです。
もしそうだとしたら本当に無駄だな〜と(笑)

また、デザインという仕事は、"集中力やアイデア、創造力"がとても大切だと考えます。
そのため、隣の人が電話でまったく関係ない話をしている横でそれを聞きながらデザインをするという環境はわたし自身は長年の経験からあまり好ましくないなと感じます。
アイデアが出ない時は、外に空気を吸いにいく方が効率的ですし、作業が乗らない時も人間ですから当然あるので、そういう時は違うことをやった方がいい。
走りに行ったらぽっといいアイデアが浮かんだ、ということもあります。

わたしもこれまで在籍したクリエイティブの職場では、イヤホンをして制作に取り組む職人たちもいましたが、それは各々の集中をはかっているのだと思います。
1mm単位でデザインをあわせたり、コードを書いているプログラマー、エンジニアにとってはその1つが死活問題だったりするからです。

話がそれましたが、この本の中でも紹介している北欧の有名なコーヒータイムはとても良いですね。

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フィンランドでは「カハヴィタウコ」というそうです。
トラック運転手なども、8時間勤務の中で10分休憩が2回挟まれるなど、コーヒー休憩は法律で決められているそうです。

フィンランド人は一人当たりの年間のコーヒー消費量が多いことでも有名だそう。
わたしもコーヒーが大好きなので、会社で同僚や仲間とコーヒーを飲みながらコミュニケーションをとる文化はとてもステキだなと思いました。

他にも仕事の効率化のためにできるだけ無駄な会議をしない努力や、会議を短くするための方法、メールにCCを入れない、フリーアドレスなど、働き方に対する工夫で長時間勤務をさけるアイデアが満載です。

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また、仕事をしっかりするために、しっかり休暇をとることはとても重要だと考えました。
夏休みのように、まとまった時間仕事から離れることも必要ですし、このコロナ時代以降には大量生産の考え方ではなく、様々なものをミニマムにし、自然に近い環境で共存しながら小さな暮らしをすることも幸せのひとつだとこの本を読んで改めて感じます。

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私たち夫婦は来年には小さな畑を持ちたいなと考えています。
とても楽しみにしていることのひとつです。

興味がある方がいらしたらぜひ書店で手にとって読んでみてください。
仕事に対するアイデアも満載です。

月曜日ですね。
みなさん今日もステキな1日をお過ごしください☆

最後までお読みいただきありがとうございます!フリーランスのお仕事のこと、デザイン、創作、映像表現や日々の暮らし、考えたことなど何でも発信しています。コツコツ更新していきますので、良かったらフォローお願いします☆