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オフショア・ニアショアの失敗とアウトソーシング

ラジオを聞いていたら、山梨県に産業集積促進助成金という制度があるのを知りました。これでオフィスを移転したり、新たな拠点を山梨に置いたりした企業があるそうです。

オフショアとニアショア

私が以前いたアウトソーシング業界は当時オフショアがブームでした。人件費が安い中国の大連等で集中処理するというもので、私がいた会社も視察には行ったようです。

ですが、人件費が安ければ良いわけではなく、日本語ができれば上手く回るわけでもなく、立ち消えになりました。撤収した企業もあったと聞きました。

結局、私がいた会社は沖縄に処理センターを作りました。給与アウトソース大手のP社は北海道に作りました。
ところが、土地が安い、人件費も安い(東京との比較で)とはいえ、業務委託料は大差ないのです。その土地の人に特有の気質があり、本社の人も苦労していました。その上、吹雪や台風で宅配便が止まることもしばしばで、海を越えたらダメなのよ!と思いました。

コールセンターを仙台に置いている東京の企業は上手くいっていましたので、その頃から茨城や山梨はどうだろうと思っていました。
ですから、この山梨の話を聞いた時に「そうでしょ!」と納得しました。山梨や茨城からですと東京へも通えますが、もしお家の近くにそのようなセンターが出来たら、働きたい人も一定数いるのではないでしょうか。

アウトソーシングで全て解決するわけではない

アウトソーシングは「煩雑な処理は慣れた人に任せた方が効率が良いよね」であって、「業者に頼めば費用が安く済む」ものではありませんが、どうも後者だと思われている節がある気がします。

安さだけ求めると下請けイジメの構造と同じになり、業者側は良い人が集まらずにいつも未熟な担当者を置くことになり、安かろう悪かろうの負の連鎖となります。

そもそも、給与計算・社会保険や経理周りの業務をするベテラン社員が毎年昇給するため業務内容と給与額が見合わなくなっているのが原因であれば、勤続年数による給与制度ではなく、業務に値段をつける制度にすべきです。

また、業者に丸投げではなく、業務内容のわかる社員がベンダーマネジメントしないと、結局は回りません。
失敗していた会社の人事マネージャーは、業者に
「全部、お願いします!」
と言えば済むと思っていたようですが、業務範囲を決めないと契約すらできません。

アウトソーシングは、「ずっとこれでやってきたから~」という属人的な業務をなくし、効率化するチャンスです。業務分析をし、業者の見積もりを比較しながら、アウトソーシングする業務と内部に残す業務を切り分ける必要があるのに、これを疎かにしている企業が多いです。特に外資!

問題が起きて初めて、日本の税制や社会保険の複雑さ、給与体系の詰めの甘さに気づくという……←今ココ、な弊社ですが。

また、「業者に頼めば費用が安く済む」のが業務を見直した結果の効果であれば良いのですが、安い業者に頼んだら質が悪かったり、ケチって委託業務を少なくしたら社内に残る仕事が多くなったり、結局コストは高くつくこともあります。

間違っても、自分の評価のために新しいことを導入しようとして、結果、中途半端に逃げ出すように退職するなどということのないようにして欲しいものです。これで2回も酷い目に遭っていて、今2回目の尻拭い中です。

私は私で、カオスの状況にある会社の求人に拾われているのかもしれず、知識や経験を買ってくれるのは有難いですが、そろそろ疲れてきたな~と思う今日この頃です。

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