【映画】ウェルカム トゥ ダリ
ダリが好きです。知った時にもご存命だったので、ピカソほど歴史上の人ではありませんでした。うっすら、訃報も覚えている気がします。
どれだけ好きかというと、スペイン旅行の目的の一つが、フィゲラスのダリ劇場美術館を訪ねることでした。後でスペイン語の先生(バルセロナで働いていた経験のある日本人)に「あんな遠くまでよく行ったわねー」と言われました。
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ガラはダリのミューズだ、と最初は思っていました。実際そうでしょう。
ただ最近は、ダリはガラに搾取されていたのではないか、と思う節も……。
その辺りがどのように描かれているのか、気になりました。
やはり、ダリは天才で、変態で、そして繊細。
実際、親しい人に対しては常識人だったそうですので(by Wikipedia)ある意味作られたキャラクターだったのでしょうか。
「ダリでいることは疲れるよ」だったか、そんな台詞がありました。
"Dali is ~." とパーティで言う時はスペイン訛り丸出しなのに、ジェームズに諭したり語ったりする時はわりと普通の英語でした。
ガラはミューズで、マネージャーで、プロモーターで、妻。
映画では敏腕というよりは強欲という頃が描かれていましたが、もう貧乏はイヤなの!という言葉の裏には売れない時代の厳しさがあり、内助の功なくしてはあれほど有名にならなかったのでは、ということも窺い知れます。画廊がガラの言うことを聞くということは、画廊もダリで儲けたわけで。
そのWin-Winの裏にあるものを、画廊勤めでダリの個展に向けてアシスタントをしていたジェームズは知ってしまいますが、それを含めてのダリランドなのでしょうね。オトナの世界ですね。
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ジェームズの目線で作られているのも、観客にとっては良かったのではないでしょうか。ジェームズがおろおろしていると、オネエサマ方が教えてくれますから。特にジネスタとアマンダは多かれ少なかれ野心はあったでしょうが、優しくて繊細で好きなキャラでした。
ダリは死が怖くて、ガラは老いが怖い……結局似たところのある2人だったのかな、と。だからかエンディングになった時、一抹の寂しさを覚えました。
エズラ・ミラーが若い頃のダリだったのですが、配役を意識せずに行ってしまったもので、登場シーンはフレディ・マーキュリーかと思ってしまいました。
若い頃のダリのイケメン写真を見ると、むしろオーランド・ブルームでは……と思いましたが、似たもの選手権ではないのでまあ良いでしょう。
邦題は原題と同じく『ダリランド』でも良かったのにな~と思いました。
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