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たまにジュエリー業界に片足を突っ込みます。
最近、変わったなと思ったのは、卸専業のお店でも
「どうぞ写メってください」
と言われたことです。それをお客様にも見せて良い、と。
(「写メって」が今どきどうかということは置いておいて)

以前なら考えられませんでしたが、イメージと違うなどと返品にならないようにするためでしょうか。

この話を別の問屋ですると
「今は売り方も変わって、ネットで売った中国人がそこの郵便局からすぐ発送するの。そんな中国人で午後の郵便局はすごく混んでるよ。
ほら、あの店に”ライブ配信OK”みたいな貼紙あるでしょ?店からライブ配信してその場で売ってるらしいよ」

お店のガラス越しに見えた道路の向こうの店舗の扉には、確かにそんな貼紙がありました。中国国内に売っている以上はその人は小売りをしているわけで、問屋としても小売業者に卸したことになるのでしょう。

ジュエリータウンにもトレンドがあり、パワーストーンブームの時にあった、ビーズの連が沢山下がっているようなお店はサッパリ見かけなくなりました。あの頃は国際宝飾展にも素人さんが多く来るということで、特に土曜日は値段を釣り上げた業者もいたらしいです。

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「んで、今は何をやってんのよ?」
「外資の〇〇業界で人事をやってますよ」
「〇〇業界じゃ、コ口ナで大変だったでしょ?」
「ジュエリーも大変だったでしょうが、〇〇も大変でしたよ。あと、前にカウンセラーの資格を取った話はしましたよね、その上位資格を取るべく勉強中です。で、お仕事が入るとこうしてジュエリーもやっている、と」
「はあ……相変わらずだねぇ」

以前から知っている人は軒並み偉くなっていて、この方は専務取締役です。

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最初の話を別のお店でもすると、ハンドメイド系の方々が手芸店ではなく問屋へ行くようになった影響もあるとのことでした。用語もわからない人と話すのは厳しいので、写真などできちんと確認をしてもらってから売りたいという側面もあるようです。

となると、お店に入って今日は何をお探し?と聞かれて
「ツキサシ付きのバチカンをちょっと見せて頂きたくて。これから見積りなんですけど、地金がだいぶ上がったからK18とPそれぞれどの位かな、と。石は〇〇で10mm位、片穴の予定ですので」
と言った私はまあ疑いを持たれなかったでしょう。

私は石の仕入れはともかく、ジュエリー制作まで一貫して出来るわけではないので、一般の方と職人さんの間の通訳みたいな役割だと思っています。己の限界を知るのも大事ですし、結構分業されているものです。

石の特性はわかりますいわゆる宝石鑑定士ので、こういうデザインにと言われた時に
「この石はある方向には脆いので、指輪だったらここを覆うようなデザインでないと欠けやすいです。どちらかといえばペンダントの方が安心です」
などというアドバイスはできます。

コンテストに応募するような美しいデザイン画ではなく、職人さんに伝える設計図としてデザインを学びました。ジュエリー制作を学んだのも、デザイン重視すぎて「こんなん作れるか!」と職人さんに怒られるような図面を書かないためですし、どれだけ手間がかかるか体験したことで工賃が高いのもよくわかりました。

GIAの同級生の中には、一度は宝飾に就職したものの、また別の業界へ転職して行った人もいます。私も本業としては続けられませんでしたが、ゆるゆる繋がっているのもまた楽し、という状態で良かったかなとも思う今日この頃です。ですから、路面店を開いているチェーン店ではないジュエリーショップは本当に尊敬しています。

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