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実は、いわゆるエメラルドカットのエメラルドは持っていません。裸石の卸にいた時に良い石を見過ぎたのか、色が良くて、内包物が少なめで……となるとやはり高いのです。いよっ、お目が高い!ってことで。

エメラルドはアクアマリンと同じく、ベリルという鉱物種のうち、ミディアム以上のグリーンの石を指します。アクアマリンは内包物が入りにくい石ですが、エメラルドは内包物が入りがちなため、衝撃に弱く、取扱いに注意しなければなりません。

普通のカット石のエメラルドがなくても、代わりに面白いものがありますので、今回は宝石の変化球のお話を。

キャッツアイエメラルド

キャッツアイというと、クリソベリルという鉱物種の中で猫のような目がピシッ現れる変種が有名ですが、他の石でも出ます。

これは、管状インクルージョンという管状の内包物が並んで入っているためにで起こるものです。ファセットカットという、面のあるカットにすると目は出ないのですが、カボションというドーム状にカットすることによって、一番山になった部分に光が集まって、目のように見えます。

ピシッと綺麗な目の出るものは、大変お高いので、私に買えるのはこの位の、ちょっとぼんやりした目のものです ↓

キャッツアイとはいえエメラルドだけでは寂しいので、何の石を合わせようかと色々見て回りました。こういうふわっとした石の脇にダイアモンドのようなキラキラしたものを入れると強すぎてしまうので(好みですが)カボションカットのムーンストーンをお供にしました。

長方形の角を落としたようなエメラルドカットは、石が脆いことから、欠けを防ぐためだと聞いていましたが、今は色々なカットがあります。
カボションカットは比較的衝撃に強いと言われています。キャッツアイが出なくても、飴玉みたいで可愛いですよ。

トラピッチェ

エメラルドはトラピッチェというタイプも有名です。

トラピッチェ

これは結晶を輪切りにした感じですが、このように6本のアームが出ます。最初にグリーンの地に黒いアームのものを買い、次に白地にグリーンのアームのものを見かけて「色違いだ!」と思わず買ってしまいました。両方、ツーソンのGem Fairで購入しました。

トラピッチェはスペイン語で、オリーブやサトウキビの圧搾機のことです。
6本のアームが圧搾機の車輪のように見えることから名づけられたと言われますが、なぜスペイン語かというと、元々はエメラルドの産地であるコロンビア(スペイン語圏)で見られるタイプだったからです。

ところが、同じ六方晶系という六角柱に成長するタイプの鉱物だと起こるのか、ルビー、サファイア、トルマリン(下↓の写真はトルマリンで、これがトラピッチェの成長過程らしいです)にもあることがわかり、もうキリがなくて困ってしまいます。

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