【講演会】「不登校」を考える
区で行われた講演会を聴いてきました。
これまでは産業領域で働く人・働きたい人の相談が多かったところ、電話相談を始めてから幅が一気に広がりまして。お子さんのいる方(主にお母さん)の相談で多いのが、不登校、いじめ、ゲーム依存、発達障害、家庭内暴力、非行など、単体ではなくいくつか組み合わさっていることも多いです。
区の広報でこの講演会を知り、精神科医から見る不登校を学ぼうと申込みました。
先にお知らせ
同じ先生の講座が11月2日(土)14-16時にオンラインで開催されます。
対象は、一般・専門職の方、受講料無料です。
(受けようと思ったら、とある試験の前日でした……無理かな)
予想通り、不登校にミラクルな解決策はありませんでしたが、病気とされてきた時代から今まで、環境は確実に変わってきています。自分の周りにはいなかっただけで、私が小学生の頃から不登校はあったのだ、とデータを見るとわかります。というか、60年前からあまり変わっていないようです。
30万人が学校に行けない・行かない……むしろ、学校って何だっけ?と学校の在り方を問うべきなのでしょうか。教員志願者も減り、先生たちも大変そうです。
ただ「学校に行きたくなければ行かなくていいよ」の先の、「生きる知恵をどうやって身につけるか」は大人が伝授するか、学ぶ場を提供する必要があるでしょう。
というのも、そのままニートに突入してしまって、親御さんが亡くなって初めて働くことになった人の支援をしていると、何十年分の試練が一気にきて、生きる意味も働く意義も見いだせない本人も大変そうで、もう少し早くになんとかできなかったかなと思うのです。
原因の一つになり得る発達障害は、だいたい重なりがあるそうです。
ややこしいのが;
上図のように重なりがあること
症例は年齢や環境で姿を変える
診断は決め手に欠ける
大人になってからでは、低年齢で発現かわからない(→グレーゾーンになりがち)
診断が損か得か考えてかかる必要がある
ということで、この他に被虐児が発達障害のような言動を見せるのも更にややこしくする原因かと思いながら聞いていました。
私なんぞ、IQの標準偏差(下図)ではごく普通の青色の濃いところだったのではないかと思います。その大多数が収まる子たちに向けた一斉授業では、突き抜けて高い子(ギフテッド)も低い子(境界知能)も苦痛なのだそうです。
そんな話を聞くと、欧米のように「わかるまで授業を受ける権利がある」として3年生をもう一度やるとか、わかったら飛び級できるとか、年度関係なく単位制にするとか、従来の仕組みでない学校があっても良いのでしょうね。
文科省も「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」を『COCOLOプラン』と称して、色々と考えているようではあります。
講師の先生から一句。
「あわてない」「休ませる」「考える」「聞いてみる」「話し合う」
だそうです。
もう一句。
うつ病を疑っても、症状だけでは判断しづらいのと、抗うつ薬を子供に処方した時の安全性は保証されていないのだとか。うつも不登校も静養が基本だとすれば、無理に診断しなくて良いのでは、というのが児童精神科の先生の判断のようです。
最後の質疑で小児科医が登場され、
「これは小児科の範疇だと思っているので、小児科にはすぐ来てほしい」
とのことでした。頼もしいですね。
ちょうど良いタイミングで作家カウンセラーさんの記事で紹介されていた動画が大変面白く、やはり学校の制度そのものが変革期なのだろうと感じました。
動画の中に出てくる薩摩藩の教育なんてどうでしょうね。
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