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映画『PERFECT DAYS』に学ぶ、クライエントとの向き合い方

この映画はネタバレも何もなさそうではありますが、何も知らずに観たいのじゃ!という方はこの先、ご覧にならない方が良いかもしれません。

トイレの清掃員、平山(役所広司)。無口で、黙々と丁寧に仕事をこなします。

いつものように丁寧に掃除中、声が聞こえることに気づきます。トイレのドアをノックして開けると、2歳くらいの男の子がシクシク泣いています。

「どうした~?ママと一緒に来たの?」
優しく声をかけながら、男の子を立たせてあげます。手をつないでトイレの外に出て見渡すと、すぐ母親が駆け寄ってきます。

「どこ行ってたのっ!? ママ、公園じゅうを探し回ったんだよ!? そこにいて、動かないでって言ったよね!?」
と怒りながら、ウェットティッシュで男の子の手を拭きます。もちろん、平山は掃除していた時の手袋は外して素手だったのですが……。

いつもこういう事をされているのかな、と思ってしまう、複雑な表情。むしろ、綺麗にしてくれている人なのに。

ベビーカーを押して去る親子。(お礼もないのね)と一観客が思っていると、母親と手をつないだ男の子が振り返って、つないでいない方の手で平山に手を振りました。
(ああ、あの子の精一杯の「おじちゃん、ありがと」だぁ!)と、うるっとする一観客。

平山は安堵の表情でしょうか、微笑んで男の子に手を振り返します。

仕事に戻り、その後はいつものように銭湯で汗を流し、いつもの居酒屋で一杯。いつものように文庫本を読みながら寝落ち ──。


目の前のクライエントに真摯に向き合うって、こういうことなのかもしれない……。カウンセラーはそう思ったのでした。

主訴:ママとはぐれて困っている

声をかけられて、とりあえずこのおじちゃんといようと、一瞬で築かれた信頼関係。ママに怒られはしたけれど、クライエントの主訴は一瞬で解消。

外野が、
「あんな小さい子、言って聞かせても不安になって動いちゃうよ」
「もしトイレなら、あの位の男の子は連れて入っても大丈夫じゃない?」
「お礼ぐらい言えばいいのにね」
などと色々言いたくなるところ、男の子が手を振っているのを見て、ああ良かったなと手を振り返しているのです。


イケてるAIに平山になり切ってもらって
「平山さん、あの時なんて考えていたんですか?」
という質問に答えてもらいたいです。

年末に挙げた3本はキャリコン目線で観ていましたっけ。
「そういう見方は本や映画が面白くなくなるから止めなさいよー」
と言うカウンセラー仲間もいましたが、準拠枠や共感的理解のトレーニングにはなるかもしれませんよ?

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