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2021年12月20日に新たに加わった誕生石です。8月です。
私のnoteでは『あなたに合うのはどんな石?』のyuca.さんの回で登場したり、ダイアモンドの時に結晶形の見本として登場したりしています。

黒太子のルビー

スピネルはまあまあ有名な石だと思いますが、知名度を上げた一つがこの黒太子のルビーではないでしょうか。

大英帝国王冠に輝く140キャラットのスピネルで、カリナンⅡという伝説のダイアモンドの上に鎮座しています。

古くからルビー(コランダム)とスピネルは混同されてきて、この石もルビーだと思われていましたが、スピネルでした。スピネルは彩度が低く出てくることが多いので、鮮やかな赤ですと間違えるのもわからないではないです。

赤ばかりではありません

宝石としてのスピネルの色範囲は、レッド、ピンク、オレンジ、ブルー、バイオレット、パープルで、上述の通り彩度が低いものが多いです。一時期、レッドホットスピネルという彩度の高い赤が流行りましたね。

オレンジもピンクも入ったような赤
葡萄みたいな色
こんな風に加工
青系もあります
スリランカにて
どれがスピネルでしょう?
(答えは一番下に)

名前の由来と結晶の形

諸説あり、
① 結晶が尖っていることからラテン語の“spina”(棘の意)
② 赤や橙の色からギリシャ語の“spark”(閃光の意)
が有力だそうです。①は和名の尖晶石にも通じます。

その結晶ですが、ダイアモンドと同じ八面体で出てきます。

左:マクル、右:八面体

写真の右側はちょっと向きが悪いですが、正八面体に近い形です。確かに尖っていると言えます。
左側はマクルと言い、正八面体を斜めに切って回転させるとこんな形になります。まあ、ちょっと捻れてしまった形ですね。

ダイアモンドもマクルになるとブリリアントカット💎にはしづらいので、トリリアント(三角形)やハートカットにすると歩留まりが良くなります。

面白いタイプ

テキストにアステリズム(稀)とあります。アステリズムはスターの出る石のことです。

産地には普通にありました

稀と書いてあっても、あるところにはあるものです。スリランカの宝石博物館で、日本では見たことがなかった石を見せてもらってはしゃいでいたら、面白い奴と思われたのかもっと色々見せてくれました。

「うっそ~ん、スピネルのスター!これおいくら?」
値段を言われました。
「じゃあ、このキャッツアイジルコンと一緒だとおいくら?」
同じ値段を言われました。は?いきなり半額?
ちょっと意味がわかりませんでしたが、もちろん両方買いました。

隣で見ていた友人が言いました。
「フジツボの中を覗くとこんな感じだよね」
いや、あの……フジツボの中を覗いたことがないわ。

おまけ

上段左から、サファイア、クリソベリル、
中段左からスピネル、スペサタイトガーネット、ロードライトガーネット、
下段左からターフェアイト、クリソベリル、コーネルピン

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