見出し画像

プロジェクトファーミングのススメ:プロジェクトの回数を重ねるほど成果のうまみを向上する手法

はじめに

こんにちは、ICT系フリーランスの花田です。

私がこれまでクライアントに提供してきた活動と価値を「プロジェクトファーミング」という手法と「プロジェクトファーマー」という役割に整理し、実践しています。

プロジェクトファーミングは、プロジェクトの回数を重ねるほど成果のうまみを向上する手法です。
一方、プロジェクトファーマーは、この手法を実践し、エンジニアと組織が成長し続けられる環境を整える役割を担います。

今回は、プロジェクトファーミングについて詳しく紹介します。
プロジェクトファーマーについては別の記事で詳しく説明しますので、そちらもぜひご覧ください。

コメントやDMで所感をいただけたら幸いです。

本記事の要旨

  • プロジェクトファーミングは、プロジェクトの回数を重ねるほどエンジニアと組織が成長し、その結果として成果のうまみが向上する手法です。

  • 農作物の品種改良が何代も掛け合わせをして実現されるように、プロジェクトの進行改善を重ねて個人と組織の成長を促進し、持続的な成果向上を目指します。

  • プロジェクトの進行改善には、文化の醸成と体制の構築が不可欠であり、これらを両面からアプローチします。



1. 定義

プロジェクトファーミングとは、プロジェクトの回数を重ねるほど成果のうまみを向上する手法です。
具体的には、エンジニアとプロジェクトが互いに影響し合い共に成長する体制を構築し、プロジェクトの進行においてエンジニアの自主的な挑戦と全体でのサポートを当たり前とする文化を醸成します。
この手法により、持続的な成長と成果の向上が実現されます。

2. 名前の由来

農業の「ファーミング(農業)」の概念を、プロジェクトの進行を通した個人と組織の発展に応用し、以下の段階に整理しています。

  1. 環境準備(土壌の準備)
    エンジニアが集中できる環境を整える。

  2. 挑戦の提案(種まき)
    新しい挑戦や技術の提案を奨励する。

  3. サポートと協力(育成)
    全体でサポートし、協力体制を強化する。

  4. 成果の共有(収穫)
    成果を共有し、次の挑戦に向けたフィードバックを得る。

3. 強みと効果

エンジニアの成長を重視する場面

  • 強み: エンジニアの自主的な挑戦と成長を促進する文化を醸成します。

  • 効果: エンジニアのスキル向上とキャリア成長が期待でき、プロジェクトの成功率も高まります。

イノベーションを推進する場面

  • 強み: エンジニアが新しい技術やアイデアに挑戦する機会を提供します。

  • 効果: 組織全体のイノベーションが促進されます。

チームの協力とサポートを重視する場面

  • 強み: エンジニア同士のサポートと協力を強化する文化を構築します。

  • 効果: 組織全体のパフォーマンスが向上し、プロジェクトのQCD(品質、コスト、納期)が改善されます。

継続的な学習とフィードバックを重視する場面

  • 強み: 成果を共有し、フィードバックを得ることで次の挑戦に向けた改善を促進します。

  • 効果: エンジニアのスキルが継続的に向上し、組織全体の知識と能力が向上します。

4. 実践のガイドライン

環境整備(土壌の準備)

  • 目的: エンジニアが本来の業務に集中できる環境を整えます。

  • 具体的なアクション: 不要な会議の削減、業務プロセスの改善、既存システムの更改などにより、挑戦するための時間の確保を目指します。

  • 具体例: あるプロジェクトでは、運用負荷の高い課題を解決することで、エンジニアの作業時間を確保しました。

挑戦の提案(種まき)

  • 目的: エンジニアが新しい挑戦を提案し、成長の機会を創出します。

  • 具体的なアクション: エンジニアに自主的な挑戦を促し、新しい技術やプロジェクトに挑戦する文化を育みます。

  • 具体例: あるプロジェクトでは、毎月「イノベーションデー」を設け、エンジニアが自由に新しい技術やアイデアに取り組む時間を提供しています。

サポートと協力(育成)

  • 目的: 全体でエンジニアの挑戦をサポートし、協力姿勢を醸成します。

  • 具体的なアクション: エンジニアの挑戦を全員でサポートする協力体制を整備します。

  • 具体例: あるプロジェクトでは、有識者が初学者に勉強会の実施やレビューをする体制を整え、エンジニアの挑戦を成功に導きました。

成果の共有(収穫)

  • 目的: 成果を共有し、次の挑戦に向けたフィードバックを得られるようにします。

  • 具体的なアクション: 挑戦の結果を全体で共有し、フィードバックを得てさらなる成長を促進します。

  • 具体例: あるプロジェクトでは、毎月の終わりに「成果発表会」を開催し、各エンジニアが取り組んだ挑戦の結果を発表し、フィードバックを受ける機会を設けています。

5. 他の手法との違い

エンゲージメント (Engagement)との違い

プロジェクトファーミングは、エンジニアの自主的な挑戦と成長を促進する文化を醸成し、プロジェクトの成功とエンジニアの成長を同時に追求します。
エンゲージメントは広範な組織全体の関与を重視しますが、プロジェクトファーミングはエンジニアとプロジェクトの相互作用に焦点を当てています。

アプリシエイティブ・インクワイアリー (Appreciative Inquiry, AI)との違い

プロジェクトファーミングは、エンジニアの成功体験を共有し、次の挑戦に向けたフィードバックを得ることで、ポジティブな文化を醸成します。
AIは組織全体のポジティブな変革を目指しますが、プロジェクトファーミングはエンジニアとプロジェクトの成長に特化しています。

ラーニングオーガニゼーション (Learning Organization)との違い

プロジェクトファーミングは、エンジニアの成長とプロジェクトの成功を相互に促進する点で特化しています。
ラーニングオーガニゼーションは組織全体の学習能力を高めることを目指しますが、プロジェクトファーミングはエンジニアとプロジェクトの具体的な相互作用に焦点を当てています。

組織開発 (Organization Development, OD)との違い

組織開発は、組織全体のパフォーマンス向上を目指し、組織の構造や文化、プロセスに働きかけます。
プロジェクトファーミングは、特にエンジニアの成長とプロジェクトの成功を相互に促進する点で特化しており、エンジニアの自主的な挑戦とサポート体制を強化することで、プロジェクトのQCD(品質、コスト、納期)を向上させます。

アクションラーニング (Action Learning)との違い

アクションラーニングは、実際の職場の課題に取り組むことで問題解決力やリーダーシップを育成する手法です。
プロジェクトファーミングは、エンジニアの自主的な挑戦と成長を促進し、プロジェクトの成功を追求する点で、個々のエンジニアの成長により重点を置いています。

プロジェクト管理手法 (Project Management)との違い

プロジェクト管理手法は、プロセスの管理に焦点を当て、目標達成のためにメンバーの進捗を積極的に管理監督します。
プロジェクトファーミングは、エンジニアの成長を組織の進化と結びつけ、これがプロジェクトの成功に直接寄与するという視点からアプローチします。


おわりに

この手法では、エンジニアとプロジェクトが互いに影響し合い共に成長する体制を構築し、プロジェクトの進行においてエンジニアの自主的な挑戦と全体でのサポートを当たり前とする文化を醸成します。

その結果、エンジニア個人と組織全体が進化し続ける環境が構築され、持続的な成長と成果の向上が実現されます。

もし、エンジニアを率いる組織開発で成長文化をうまく醸造できない、という方がいらしたら、ぜひ試してみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
コメントやDMで所感をいただけたら幸いです。

最後に、独自の方法論をお持ちの方がいらっしゃったらぜひ一度会話させてください。

よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?