アート鑑賞で経験学習量をはかる

コーチングは「経験学習」そのもの

私たちが本質的に変化し、心から充実した成果を得るためには、継続的な「行動」と「学習」が不可欠です。
コーチングの世界では、「セッションとセッションの間」をどう過ごすかが、結果を生み出す上で重要だと言われています。私の経験上でも、セッション間で "経験学習量" が多く、濃いクライアントほど、目覚ましい変化を遂げています。

アメリカの教育学者であるデービッド・コルブが唱えた「経験学習モデル」がそれを裏付けています。
社会人の能力開発は、殆どが日常の経験から生まれていると言います。この理論では、経験からより良くより深く学ぶには、「経験」をじっくり振り返るプロセスが大切であり、振り返ったらそれを次の経験に活かせるように「概念化」することが重要だと定義しています。

① 経験(Concrete Experience)
② 省察(Reflection & Observation)
③ 概念化(Abstract Conceptualization)
④ 実践(Active Experimentation)

これは、まさに「コーチングの過程そのもの」です。

コーチングセッションの最後には「何を行動するか」を明確にします。そして、次のセッションの冒頭では「その行動から何を学んだか」を内省し、言語化していくことを通じて、学びを深めていきます。「経験学習モデル」のサイクルが自然と回っている状態であるため、本質的な成長に繋がりやすいのです。

「アトリエ旅館」での再会

星野リゾート 界 仙石原は、アーティスト・イン・レジデンスを実践した「アトリエ旅館」です。
アーティスト・イン・レジデンスとは、アーティストの滞在型創作活動、またその活動を支援する制度のことです。界 仙石原の客室には、その活動に参加した12名のアーティストの作品が飾られています。

どの部屋になるかは泊まってからのお楽しみ・・・ということで、今回はもしかしたら別の作品に触れられるかも、という淡い期待を持っていました。ですが、客室に案内されて「1年前のと同じ部屋だ」ということに気付いたのです。

そこにあったのは、イタリア人アーティスト Marco Useli の作品でした。
彼は実際に箱根に来て、感じて、これらの作品を描きました。

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作品は、連続するものごとや出来事の重なり合い、消費していく様を表現するものです。都市や人々のパワーからインスピレーションを得て、新たなものを生み出していきたい。そして作品をシェアして繋がっていきたいと思います。
―― Marco Useli:  Artist Interview より抜粋

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私はそれら作品をしばらく見つめていると、自然と愛おしい気持ちが生まれていることに気付き、その静かな色使いと筆跡は心を穏やかにしてくれるようでした。
そして、そこにある「曲線」と「直線」は私の中で見事に発展し、「自然」と「人工」、「感性」と「論理」、「偶発」と「計画」といったものが絵の中で融合している神秘性すら感じ、その世界観に埋もれたいとすら思ったのです。

経験学習量が、感性・行動を変える

・・・実は、前回はこんなことを感じなかったのです。
目の前にあるのは同じ作品であっても、この1年で私の感じ方は明らかに変わりました。

その変化は、この1年間の過ごし方、すなわち「経験」がもたらしたに違いありません。つまり、「経験学習モデル」でいうところの「②省察」を生み出すきっかけが、Marcoの作品であったというわけです。

チェックアウト時には、すっかりMarco作品の世界観の虜になっていました。彼の Instagramをフォローし、思わずメッセージを送りました。そして、彼の作品を家に飾ることすら密かに検討しているのです。
(前回はフォローすらしていなかったので、行動の変化に驚き・・・!)

例え、同じアートと再会しても、自らの内面の変化によっては全く別のものに見えることがあります。アートとの再会を通じて、自らの "経験学習量" を感じ取ってみることも面白いかもしれません。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
今日も素晴らしい1日を!

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