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自分だけの楽園をつくる

ヴェールに隠された「欲しいもの」

極端な話、自分が欲しいものが分かっているだけで、前進しやすくなるものです。悶々とするときは大抵、今の自分が欲しているものがよくわかっていないのではないでしょうか。

同時に、誰しもが、自分が心から欲しいものに気付けない瞬間を経験することも真実だと思います。長年、コーチングを学び、施す者としてそう感じます。欲しいものはあるはずなのに、ヴェールに覆い隠されてしまっている、そんなことは度々起こります。

仕事が忙しい上に資格取得勉強もあり、それぞれが十分にこなせず悶々としているクライアントJさんは、今の自分を「平均台の上を歩いているようだ」と言いました。ギリギリのところで、踏ん張りながら前に進んでいる感覚を例えたのでしょう。

「じゃあ、その場で平均台の上を歩いてみましょうか」

私はそう提案し、Jさんは空想の平均台をおろおろと進んで行くと、窓の外には線香花火をしている隣人の姿がありました。平均台に意識を向け続けていたJさんは、はっと顔を上げ、恍惚とした表情で窓の外にある光を眺めていました。

「・・・私が欲しいものは、これなんですよね」

自分だけの楽園をつくったマティス

アンリ・マティスは、きっと自らの欲しいものを熟知していたのではないでしょうか。彼は、固有色にこだわらない強烈な色彩と大胆な筆遣いが特徴的なフォービズム(野獣派)の画家です。

マティス

彼のアトリエは、まさに彼にとっての「楽園」かのようでした。マティスは、テキスタイルや調度品を自在に組み合わせ、アトリエ内を演劇の舞台さながらに飾り立てました。

これが、実際のアトリエです。
好きなもの、心地良いもの、美しいもの、満足いくもの、高揚させるもの・・・部屋一体に彼の世界観が散りばめられている印象を受けます。

マティス部屋

彼は自然に興味を持っており、巨大な観葉植物を部屋中に置いたり、テーブルの上を多様な花で埋め尽くすなど、自然環境の中で作品を生み出しているかと錯覚するような空間も、アトリエ内に演出していたとのことです。

限られた空間(しかも室内)に自然を再現しようとする姿勢には驚きですが、確かに決して不可能なことではありません。

今、そこに楽園をつくるなら

Jさんは、自分が本当に欲しいものに気付いていきました。

それは「何かをじっくり味わう時間」です。
コーヒーの香り、セミの声、雨の音、窓の外の景色、家族や友人との会話・・・それを丁寧に味わうことこそ、今一番欲しいものなんだと。同時に、そのような時間が失われていることにも気づきました。

「じっくり味わう時間を、日常生活に散りばめてみたらどうですか?
あたかも時間をデザインするアーティストのように。そこに、自分だけの "楽園" をつくりだすかのように」

***

自分の本当に欲しいものは、日常生活にあるでしょうか。
そもそも、自分の欲しいものって何でしょうか。
自分だけの楽園をつくってみるとしたら、何をしますか。

マティスをはじめとしたアーティストの生き方、そしてコーチングは、それを探求する上できっと力になるはずです。


ここまで読んでくださってありがとうございます。
今日も素晴らしい1日を!


【参考】



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