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【子宮頸がんの記録#21】ラストケモから2ヶ月

通院日だった。

相変わらず血管は見えなくて、検査技師さんに駆血帯を強く締められる。
今日も2回コースか、と泣きたくなったが、なんとか1回目でとってくれた。

血液検査の結果が出るまで1時間。
この待ち時間は心がざわざわ、そわそわする。

診察室に入ったら、「最近体調はどう?」という話から始まるのだけれど、患者側からしたら早くこのドキドキから解放されたい。
大丈夫だったのなら、開口一番「大丈夫だったから安心してね。で、最近体調どう?」と言ってほしいのだが、これを要望すると、開口一番にそれが聞けなかったときに=再発となってしまい絶望するから、結局普通でいいか、と自分を納得させる。

血液検査で腫瘍マーカーをチェックしたが、今回は問題なかったそう。
再発したら必ず腫瘍マーカーがあがるのなら安心だが、そうとも言い切れないところがなんだかスッキリしないが今の医療ではこれが限界だから仕方ない。
私は初発の時も腫瘍マーカーが上がっていなかったから上昇しにくいタイプなのかもしれない。

内診も問題なく、2ヶ月検診をクリア。

これを3年間は2ヶ月ごとに経過観察する。3年以降は少し間隔があくらしいが、ドキドキして心臓が口から出そうな、緊張と不安と恐怖とが混ざったこの気持ちを2ヶ月ごとに繰り返すのかと思うと気が遠くなる。まだ2ヶ月だけれどもうめげそうだ。

けれど、経過観察を繰り返すことができるというのは再発していない状態が続いているということなので、できる限り長くこの経過観察の期間が続くことを願わなくてはいけなくて、その矛盾をいつも頭の中で戦わせている。


病院に来る前の重たかった足が、嘘のように軽い。
「また生きられるチケット」をもらっているようだと思う。
2ヶ月後、再発したとしてもすぐに死ぬわけではないが、また抗がん剤をするならせっかく生えてきた髪の毛は抜けるし、今後の仕事の予定も遊びの予定もまた白紙になる。

今日から2ヶ月は、「再発していない自分」でいられる。
「病気じゃない人と同じような自分」でいられる。
病気のことを考えずに、未来を想うことができる。
新しいことにも挑戦しようと思える。

また通院日が近づくと憂鬱に、不安になるのだろうが、私はこれを繰り返していくしかない。
とりあえず、ケーキでも買って帰ろうか。

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