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布団を上げながら(駆除人に関して、まだ自分が理解できているうちに)

2023年、10月30日、31日に世界ウイグル会議が日本で開かれる。

中国に新疆ウイグル自治区での人権侵害をやめるよう求める会議だ。

国際社会において、この人権侵害について何年も取りざたされている。ちょっと検索すれば信じられないくらいどういった迫害が行われているかが出てくる。

自分は社会的視点を元に小説を書いており、当然、この人権侵害については調べていた。

数年前に自作の『駆除人』をアニメ化しないかと言われたことがある。
当時もそうだが、日本のアニメ業界には多くの中国人関係者がたくさん働いている。中国からすれば、現状では天安門に続き、このウイグル人への人権侵害はタブーとされている。

少なくとも習近平政権下では、この迫害を止められる道筋は立っていない。

日本はスパイ防止法が施行できず、スパイ天国と称されるほど他国の警察が入り込んでいるのは周知の事実として、アニメ化に際し、申し訳ないがウイグル問題だけは調べておいてくれと懇願した。

中国の思想警察に中国人関係者が捕まってしまったら、その人生に責任が持てないからだ。
拙作『駆除人』は綿花栽培に関してメインストーリーとして取り扱っており、アラル海含め環境問題の記述もある。
メインストーリーを変えるとなると当然著作権法違反になるため、著作者としては受け入れられない。キャラの改変は著作権侵害ではないそうだ。
そうして台本作成が進められていたが、まったく会社サイドに調べる様子がなく、そもそも『駆除人』を読んですらいないことが見える記載もあった。

それでも、どうにかウイグル問題だけは調べるよう要請したが、専門家に頼んでいるという話だけ、その専門家も誰なのかはわからない形で、一向にペライチの紙一枚、資料がない状態が続いた。

この時点で、まともに作るつもりがないことは明らかだった。
自分としては、これは管理者の仕事放棄でしかないようにしか見えなかった。
「今後、一切かかわらないので勝手にやってください」と通告。
結局企画は立ち消えになった。

今でこそ、ジャニーズ問題が取りざたされているが、人権問題についてあやふやなままにしておくと企業が潰れかねないということは広く知られているが、この当時はまだ人権意識が低かったのだろうと思う。
ただ、日本のアニメはサブスクリプションサービスによって世界配信されることはほとんど決まっている。

先のラグビーワールドカップでも言われていたが、ジャニーズのタレントを放送に使うという選択肢はほとんどの国で、通用しない。

人権侵害を放っておくことにはリスクが伴う。日本の経済同友会のサントリー社長も徹底的に糾弾していた。


『駆除人』のアニメ化が立ち消えになったその後、会社はテンセントと提携。アニメ会社も中国の企業と提携していた。つまり中国企業への忖度としてウイグルについて調べなかったとも見える。

ここ最近は、多くのアニメが中国の会社と提携している。
経済的には成功するだろう。ただ、管理者・責任者はウイグルに関して天安門と同じような意識を持たないと、無暗に中国人関係者を危険に晒すことになる。

正直なところ、ここ半年はこれほど日本のメディアに人権意識が浸透してないのかと落胆した日々を送っていた。

自分はどれだけ誹謗中傷と言われようが、今でも続く人権侵害を放置してまで売れたいとは思えなかった。
そもそも他国に媚びて、プロパガンダを作ったら外患共犯という犯罪になるのではないかと説明もしていた。管理者には伝わらなかった。

補足として『駆除人』の漫画家が誹謗中傷と言っていた件だが、そもそも『駆除人』を読んでいないようで、内容の改変(著作権法違反になる)が見られたこと、物語のサービスに関してキャラの痴態を晒すことに重点が置かれていることなど、『駆除人』という作品の意図(少なくとも誰であろうと語られている社会問題や環境問題に関しては知っておいた方がいいというメッセージ)と違うので、読み方がおかしいんじゃないかと言ったことはある。
この件に関して、なぜか編集担当者が謝りに来たことがあるが、トイレで『謝る気ないっすよ』などと話していたのを耳にして、伝わらないだろうと思っていた。
実際に伝わっていなかった。そして漫画は休載に入る。

アニメ化が立ち消えになった後、休載していた漫画を再開したいという要望があった。
当然、ウイグルに関しては調べられない会社なので、先に書かれていることを調べるよう要請したが回答はやはりなし。なになら調べられるのかと、謝りに来た際の所業について調べるよう言ってみたが、そんなことはしていないとのこと。
忖度と隠蔽がまかり通ってしまっているので、自分はすぐにやめさせてほしいと言ったが、更新時まではどうにか連載をさせてほしいと言われ、渋々承諾。

数日後、五輪問題が発覚。取締役の「今後忖度のない会社にしていきます」との表明とは裏腹に、企業側は最後までウイグルについて、まったく調べるつもりはなかった。
本件に関して、ウイグルの人権侵害について全く理解していない漫画家が何かを発言したり表明しようとも、そもそも『駆除人』という作品の意図について理解していないので、何かを語っても仕方がない。
管理業務ができていない責任は企業側にあるので、当然、休業期間の機会損失額を要求するのは、一般的な社会の通例だ。


人権侵害を放置し、法を犯すリスクを内包しながら、自社を潰そうとする行為、中国人関係者の人生を破壊しようとする行為、忖度と隠蔽でどうにかなると思っている管理業務。
残念ながら、それらを上回る自己顕示欲は、自分には持てなかった。

東京都の業務に公明党が圧力をかけているというニュースをよく見るようになった。
今後、中国共産党や公明党を称賛するようなアニメが見て、面白くなかったら、『駆除人』の作者はこういうものと戦ったのだと思ってくれたら幸いだ。

他社の編集者にも、いろいろと言っているとすれば、当然、偽計業務妨害、名誉棄損となる。報告を受けたという出版関係者がいたら、連絡を送っていただきたい。

ウイグルの人権侵害について、ようやく日本でも認知が広がりを見せているので、自分としては世の中がまともになっていくのを感じる。正直、病みっぱなしでうんざりしていた。

ということで、中国が内政干渉ということによる、地方議会への内政干渉がバレてしまい、これを突き詰めていると中国関係者の外患罪が適応され始める。



作者としては、いつか『駆除人』に関しても再評価されることを願う。

花黒子


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