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わたしの読書の秋𓃹☘︎⁡

『あなたの教室』
⁡✍︎ レティシア・コロンバニ 著
⭐︎ 齋藤 可津子 訳
⁡" Le cerf-volant"
⁡✍︎ novel by Laetitia Colombani
translated  by Katsuko Saitho


『三つ編み』、『彼女たちの部屋』に続く本作は、今尚カースト制度が根強く残っているインドの貧しい村が舞台になっています。
⁡そして、『三つ編み』のスミタ同様、ヒンドゥー教によって制度化されたダリット、ガンディーが「神の子」と呼んだ「ハリジャン」の少女や女性たちに、より深くスポットをあてた力作です。


主人公のフランス人レナは、ダリットの少女ホーリーと運命的に出会い、教師である自己の経験から、この村にちいさな学校、ひとりひとりが大切にされる為の『あなたの教室』をつくろうと決意します。


「女の子に教育はいらない」
「ガール、ノー、スクール」
「女の子は早く嫁に行かせるべき」
「本を読む娘は悪い妻」


村民の男(父親)に反発を受け、社会制度に挫けそうになりながらも、レナの「教育が人生を変える。彼らに希望を持たせたい。自由に生きてほしい」との揺るぎない意志に、胸が熱くなります。


2022年は新しい時代の幕開け。
わたしも、いつかインドを訪れてみたい。レナのように。何があろうと、人生はつづいて行くのだから。


最後に、エピローグの大マハラジャの言葉を引用します。(本書P216)

「あなたは国でも人種でも宗教でもない。自由をつかむ希望と確信をもつ己自身だ。その己自身を見つけ、手ばなすな、そうすれば無傷のまま安全でいられる」

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