こうして元ネタはわからなくなっていくのだ
古文の研究してるとよくあるのが「引用元を探してくる」って作業だ。
和歌であれば、教科書にあるのは「本歌取り」。元の歌があって、それを引っ張ってきて世界を広げる手法。
『源氏物語』では、漢詩やら和歌やら漢籍やら古事記やらとにかくありとあらゆる先行するあれこれが引用されていて、本当に引用があるのか?ここの場面でどんな読みができるのか?などを考えていくことになる。
当時の人たちからしたら、「ああ、それは古今和歌集の36番歌のことね」で終わりだったかもしれんが、今の私たちが読んだとてなかなかそうはいかない。何度も出てくる歌はさすがに「またこれか〜」とはなるけども、ベースになる、全体になる知識が全く違う。
嗚呼、私たちはあまりにも「元ネタを知らない」。
さて、現代の作品に話を移そう。
確かに。確かにだよ。
30代にもなると、年下のみなさんに「えっなんですかそれ」と言われて「ウワー知らないのか〜」と思うことは増えました。
このあいだは、「千本桜をピアノで弾きます」と言われたので「え〜!懐かしいなぁ。初音ミクだね」と言ったら、初音ミクのことはあんまり知らず、いい曲だなって思って聴いてます、とかね……。
そんな中、次男3歳と話してて衝撃だっだエピソードをご紹介していくよ。
次男が100円ショップで売ってた刀のおもちゃを持って歩いて遊んでいた時のことだ(鬼滅ブームの時に買った笑)
次男はニコニコしながら刀を構えてこう言った。
「ハンゾー!」
おお、この子は服部半蔵を知っているのか!と思い
「おお〜服部半蔵か〜!」とそのまま伝えたところ、キョトンとする次男。
「違うよ。ハンゾーだよ」
「服部半蔵じゃないの?」
「ハンゾー!」
???
次男、別の部屋から本を持ってやってきた。
「キン肉マンのハンゾーだよ。ほら、ここ!」
キン肉マン辞典の裏表紙に小さく載った「ハンゾー」を私に見せてくれた。
いや、知らんわ!😭
趣味がいちいち古い兄弟たち…(ぬーべー、鬼太郎、キン肉マン……)
「ハンゾーって言ったら服部半蔵だろ…元ネタがわからんのだな…😌」という気持ちももちろんあるが、それで持ち出されるのが「キン肉マンのハンゾー」ってどういう世界???
次男からしたら「ママはキン肉マンわからないから、やっぱりハンゾーも知らなかったか🙁」って感じでしょう(実際に「ママはどうしてそんなにキン肉マンのこと知らないの?」と日々問われる)
みんな同じ顔に見えるウルトラマンだいぶ覚えてきたかなって思ってたけど、キン肉マンもまただいぶ難しい。個性はウルトラマンよりはっきりしてるけど、数が多すぎて最初から追ってません🫠
線路見て「犬」って次男が言ったところから「テリーマンが電車止める対決で犬を庇うために勝利を捨てた話のこと言ってるな」というのがわかったので、もうそれでよしとします。
嗚呼、コンテンツを学ぶとは、難しい。
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