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虫よけの新しいスタイルとは

痛っ! 
足首を見ると小さく虫に刺された跡がありました。

あー、やられたなぁ。
休日の草引きがルーティーンになりつつある6月の終盤、家の敷地内に生える草をイタチごっこのように草引きをしますが、雨上がりだったからでしょうか、なにかに刺されてしまったようでした。
たぶんブト。(「ブヨ」が全国共通の呼び名でしょうか)
蚊に刺されても、人より赤く腫れてしまう私は、ブトにやられるともうパンパンに腫れて、めちゃくちゃ痛かゆくなるのが常でして、今回も腫れるなぁ、嫌だなぁ……と思っていました。
 ひどくならないようにと何度もムヒを塗ったのですが翌日、かゆさは増していて、午後になるとジンジン痛みだし、見ると刺されたところが水ぶくれになっていました。どんどん痛みは強くなるし、水ぶくれも直径2センチほどの大きなものになってしまい、これはあかんと夜まで診察してくれる皮膚科を探して(ネットのおかげ)薬を処方してもらうという、なんとも悲しい事態となったのです。
 腫れと痛みで少々へこんでいた私は、友人にLINEを送り、この出来事を伝えました。すると友人からとんぼの画像が届いたのです。


「欲しいと思ってひそかにねらってるねん」と言う彼女。
「なに?」と一瞬「???」
それは、ネットショップのスクリーンショットで、名称が「おにやんま君」と書かれた商品の画像でした。よく見ると「虫除け、ストラップタイプ」と書かれていて、そしてなかなかのお値段。
虫除け? これが? とさらに「?」が増えてしまい……。
彼女いわく、アブよけにオニヤンマのおもちゃをつけとくといいと知ったのだそう・・・・・・ え? 見た目! 見た目かよ! 
ストラップを見てアブが「こいつヤバい奴連れとるやん」って思うの? 
友人よ。さすがにやめとけ(笑) 
それから、私が刺されたのはアブじゃなくて、ブトだよ。

 夏のある日、Facebookで友達になっている方が、オニヤンマの模型と虫よけの話を投稿されていて、その投稿を読み進めることになったのです。なぜそこに目が留まったのか。それはパッと見えた画像が、大きなトンボの模型が付いた帽子をかぶった人だったからです。

「少なくとも高知県では帽子にオニヤンマを飛ばすライフハックが流行るだろう」

 帽子にオニヤンマを飛ばすライフハックが流行る? ブトに刺されたときに友人が「最近、気になっている」と見せてきたトンボの画像! そのトンボはオニヤンマだったし、思わず食いついてしまい、ライフハックってなんだ? と調べました。ライフハックとは「効率的な工夫・取り組み」ということらしく、なるほどと、彼の投稿を読みはじめました。
 私の目に留まった「少なくとも高知県では帽子にオニヤンマを飛ばすライフハックが流行るだろう」という文面は、2つの情報から結びつけられたもので、1つは高知県が県内で日本脳炎ウイルスが豚に流行しているとして注意を呼びかけているニュース、もう1つは動くオニヤンマの虫除けを作ってみたというライターさんのブログでした。

 高知県のニュースは、日本脳炎ウイルスが豚から蚊を介して人間に感染するとされ、重篤化する可能性もあることから注意しましょうといったもの。日本脳炎ウイルスは発症した場合、高熱や頭痛などの症状が出て、20~40%が死亡するらしいです。こわい


 そして、ライターさんの記事には

「少し前から話題になっているのがオニヤンマの模型である。
身につけておくと、蜂やアブのような害虫は食われると思って近寄ってこなくなるらしい」

と書かれていました。(もっとも食いついたのはココです)
なに? オニヤンマの模型が少し前から話題になっていたの? 
で、そのライターさんはというと、紙粘土などを使って自分でオニヤンマの模型を作り、帽子につけて山に入ったそうです。うまくハチやアブに遭遇できなかったみたいだけど、虫よけをせずとも蚊に刺されなかったという実験結果を報告されていました。

 まぁまぁなお値段のオニヤンマのストラップの画像を見たあの時、何をふざけたことを言っているのかと若干小馬鹿にして「友人よ。それはやめとけ」などと言い放った私としては、少し気まずくなりました。
 友人は先見の明があったのかもしれない。そして私が住むこの町で、もしかしたら帽子に動くオニヤンマをつけたスタイルがあたりまえになったりするかもしれないとゾワッとしてしまったのでした。


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