明確な殺意
幼稚園に行く前のことだったので、2、3歳のことだったと思う。
祖母はとにかく厳しい人だった。
何かというと手が出る人で、よくビンタをされていた。
親のいない私をしっかりしつけようとしていたのかもしれないが、子どもの私には、叩かれるのは辛いことだった。
酷く叱られると、よく押し入れに入って、布団の間に入り込み、泣きながら眠りに落ち、数時間経つと、出てくるということがしばしばあった。
妄想癖があるので、普段から、いろいろな妄想にふけっていたが、
明らかな殺意を抱いた日があった。
2階建ての戸建てで、祖父母は一階に寝室があり、いつも私は叔母と2階で寝ている。
祖母の寝室に目をやり、ふと、寝ている祖母の首に私が包丁を突き立てるイメージが浮かんだ。
ころしてやりたい。
2、3歳の頃ことだ。
子どものくせに、とか、子どもだからとか言う大人は知らないのだ。
子どもをバカにしている人はよく考え直した方がいいと思う。
そんな些細な経験が、子どものトラウマになっていることだってある。
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