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最近読んだ子どもの本 2019.11.12

はじめに

最近読んで楽しかった本を備忘録がわりにずらずらっと紹介していきたいなと思います。ひとことずつの紹介ではありますが、読んでみよう!のきっかけになればうれしいです。あと「子どもの本」という言い方にちょっと迷いがあったのですが、(だって大人も楽しめる)わかりやすいという点で、今回こんなタイトルにしています。たまに多く語りたくなったときは、 #えほんとわたし  で紹介します。
なお、紹介する絵本は、必ずしも新しい本ばかりではないですがどちらかというと、新しい本が多めになりそうです。

『短歌の詰め合わせ』

東 直子 / 作 若井 麻奈美 / 絵 
アリス館 2019/10/25
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たとえばデパートの地下の洋菓子店で買ったような、ちょっと特別なかわいらしい缶に入っている、宝石のようにひとつひとつがピカピカしたクッキーの箱を開けたときの「わあ!」という幸せな気持ち。そんな気持ちが本でも味わえたらどんなに素敵だろう。この本では、みずみずしい短歌がそんなお菓子たちのように、ぎゅっと詰め合わされています。
歌人である東直子さんが、はじめて短歌に出会う子どもたち・大人たちにむけて、身近な8つのテーマから、心のお守りになるような短歌を紹介してくれるという本書。加えて歴史や作り方にもふれ、より幅広い視点で短歌の世界を知ることができます。
ちなみに、挿絵を描いている、アニメーション作家の若井さんのイラストがかわいくってしかたありません。本の至る所にちりばめらた、まさにお菓子のようなかわいらしいイラストにもぜひ出会ってみてください。

『スモンスモン』

ソーニャ・ダノウスキ / 作・絵  新本 史斉 / 訳 
岩波書店 2019/10/25
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トントンにのってロンロンをもぎに出かけたスモンスモン.途中でゾンゾンに落ちてしまって,さあ大変!


この絵本が発売される直前、久しぶりに岩波書店児童書編集部の愛宕さんとお会いする機会があり、『スモンスモン』を教えてもらいました。そのとき、「この絵本は、文章を目で追わないで、私が読むから絵を見ていてくださいね」と、まさかの愛宕さんにその場で読んでいただくというぜいたくな時間をすごしたのですが、おっしゃるとおり、この絵本は耳と目をいっぱいつかって楽しむことができる絵本。シュールやナンセンスということばでも表すことのできない独特の世界観に、子どもたちは読んだ瞬間に気に入ってくれるに違いありません。

『コレットのにげたインコ』

イザベル アルスノー  作 / 絵  ふしみ みさを 訳 
偕成社 2019/10/9
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あたらしい町に引っ越してきたコレット。ペットがほしいのに、飼ってもらえません。がっかりしたまま家を出ると、男の子がふたり、近づいてきました。
「なにしてんの?」
「ええと……ペットのインコをさがしてるの」
思わずついてしまった、小さな「うそ」。にげたインコをいっしょに探すうちに、コレットは近所のいろいろな子どもたちと出会います。そのうち、「うそ」はどんどん大きくふくらんで……。

イザベル・アルスノーさんの描く絵と世界が大好きです。圧倒的な画力は決して押し付けがましくなく、繊細に私たちのこころをゆさぶってくれます。今まで絵本や児童書では絵だけを担当していたイザベルさんが、文も手がけた絵本が発売すると聞いたときはとっても嬉しくて、発売を今か今かと待ちわびていました。今回はコマ割り絵本。
主人公コレットの、あたらしい町に引っ越してきた不安、 とっさについてしまった小さな「うそ」から派生する夢のような時間が途切れた瞬間のコレットの気持ち・・読んでいると心がきゅっとなります。

『まなの本棚』

芦田 愛菜 作 
小学館 2019/7/18
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私たち夫婦は、芦田愛菜さんのことを、ドラマ「明日、ママがいない」以降、愛菜先生と呼ばせていただいていますが(理由はまたいつか)、そんな彼女は大の読書好きだそう。テレビに出ている彼女をみるたび、その凛とした話し方やたたずまいがすばらしいなと思います。先日書評家の豊崎さんが仰っていたのですが、本を読むことで培われる一番は「想像力」とのこと。愛菜先生の話す言葉を聞いていると、まさに、想像力がある人の言葉選びだなあと感心してしまうのです。
そんな言葉で語られる本たちは、新しい本であっても、ロングセラーであってもキラキラかがやいてみえて、「本を読もうっと」という気持ちにさせてくれます。

・・・・と、今日はここまで。

さいごに

先日のトヨさんのトークを聞いてからというもの、今まで以上にゆっくり本を読むようになりました。わからない単語があれば辞書で調べて・・・

そういった意味では、子どもの本って、わからない言葉ってあまりでてこないし(昔ながらの言葉、というのはありますよね)とても読みやすいのです。けれど、だからこそたっぷりとページを使って描かれる絵や言葉たちを、急ぐことなくゆっくり味わいたいなあと思います。

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ではまた次号〜


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