ボクが見ていたコンポート。
■注意
このお話は、過去に書いた
シリーズの番外編なので、
予習していただくと、
より楽しめる内容となっております。
たぶん笑。
ご興味のある方は、
マガジンにまとめてありますので、
こちらからどうぞ。
それではお楽しみください♡
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
止めたんだよ？
ボクは、
君とクッションを取り合うときと、
ごはんを食べたいときくらいしか、
鳴かないでしょ？
そんなボクが、止めたんだよ？
でも聞いてくれなかったんだ。
何かに没頭するといつも、
君の話だって聞いてないときが、
あるでしょ？
だからさ、
ボクの可愛い声がそもそも。
届くわけがなかったんだ。
で、案の定。
ご覧の通りだよ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
最近のボクは、
このクッションの上でひとり、
いや、失礼。一匹で。
のびのびしている。
だって、君と取り合いに、
ならないから。
『今日はわたしが使うのー』
と言ったあと、君はボクを抱き上げて、
ボクからクッションを、奪う。
まぁ君はあとでおやつをくれるから、
いつも仕方なく抱き上げられて、
どいてあげるんだけど。
でも、
君は最近、このクッションで
くつろぎたくないみたい。
ボクは、いいんだ。
だって取り合いにならないし。
このクッションは人間を、
ダメにするらしいから。
そもそも君たちは、
使わないほうがいいんだ。
でも。
なんだかなー。
張り合いがないって、
こういうことを、
いうのかな？
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
人間の『喧嘩』って、どうにも複雑だ。
喧嘩しているように、見えなかったり。
喧嘩しているように、見せなかったり。
氣まずそうなのに、
これは喧嘩ではないと、思ってみたり。
どうにかしたいなー、
仲直りしたいなーって、
どっちも思ってるの。
バレバレなのに。
嫌だったら、
言いたいことがあったら、
ボクたちみたいにさ。
にゃあって、
正面からぶつかってみたら、
いいのにね。
なんで、複雑にするんだろう？
人間って、大変だね。
このクッション。
結構、広かったんだなあ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
いつの間にか、
お日様の匂いに包まれて。
うとうとしちゃったんだ。
そうしたら、
まだ君は帰ってきていないはずなのに、
キッチンから、物音がしたんだ。
それで、慌ててクッションを下りて、
見に行ったんだ。
そうしたらね、
君が大好きな甘い匂いのするごちそうを、
恐ろしい手付きで切ろうとしてた…！
ねえ、やめといたほうがいいよ。
何するのか、知らないけど。
たぶん。
いや絶対。
やめたほうがいい氣がする。
だから、こう言って止めたんだ。
『にゃあ』って。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
『ただいまー。
…何やってるの？』
『え、これはその…コンポート…
に、なるはずだったもの、です』
『…みたいだね』
『や、失敗するかもと思ったから、
桃は多めに買ってあって冷…』
『食べる』
『……食べてみなよー』
『にがっ…ゴホッ』
『あははは！
これはやめにして、
新しいの剥いてよ』
『包丁はもういい…』
『えーそこはがんばろうよー』
『へえ。
そうやって剥くのかー…ゴホッ』
『ていうかさ、鍋、どうするのさ』
『ごめん…』
『誕生日プレゼントは、
ちょっといい鍋、
買ってくださいね』
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
…。
…え？
仲直り…？(=ﾟωﾟ=)
人間の『喧嘩』って、どうにも複雑だ。
口では君、怒ってるのに。
久しく感じていなかった、
幸せの、温度。
ボクは、
君とクッションを取り合うときと、
ごはんを食べたいときくらいしか、
鳴かないでしょ？
もう少ししたら、
今日の最後のひと鳴き、
しようかな。
あー。お腹すいたにゃー。
あ…
いや、食後に、もう一回。
鳴くかも？
きっと今夜、このクッション。
君に笑顔で、
奪われる。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
飼い猫目線のリクエストを
いただきましたので、
ゆるりと書いてみました。
お楽しみいただければ幸いです♡
flag *** hana
今日もありがとうございます♡
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