いつのまにか野原ひろしの年齢を越してることに絶望し、彼を男として尊敬する
娘がクレヨンしんちゃんにはまっている。NetflixやAmazon Primeで見ることができるエピソード、これまでの映画を何度も観ており、Youtubeにアップされているエピソードも観ている。
僕も小さいときにしんちゃんが大好きで毎週アニメは観ていたし、映画も毎年観ていた。単行本も買っていてまだ実家にある。子供が観ていると僕も一緒になって観てしまい、今でもゲラゲラと子供と一緒に笑っている。
クレヨンしんちゃんは昨年30周年を迎えた。クレヨンしんちゃんが始まったとき、僕は6歳だった。それから30年も過ぎたのである。
何かのエピソードだったか映画で、野原ひろしが自分の年齢を言った場面があった。
『野原ひろし35歳、ローン32年、野原家の主にして双葉商事の係長だ!』みたいなセリフだったと思う。
そのときに、もの凄い絶望感を感じたのを覚えている。
6歳のときに始まった大好きだったアニメのキャラクターの年齢を、いつのまにか越していたのだ。時間の流れの早さを感じたし、歳だけ取って野原ひろしのようになれない自分への絶望感を感じた。
もちろん、子供のときに好きだったスポーツ選手の引退とか、小さいときにテレビで観ていた人が亡くなったことなど、自身の年齢を意識することは他にもあった。
でも、僕にとっては野原ひろしの年齢をいつのまにか越していたことに気づいたときに、自分の置かれている状況を痛いほど痛感させられた。同年代の”ブラボー”と叫ぶスポーツ選手などより、アニメの野原ひろしは身近な存在なのだ。
ひろしは世の中を興奮させるようなスポーツ選手ではないし、世界を変えるような起業家でもない。イケメンでもないし、誰もが羨むような仕事についてるわけでもない。ごく普通の平凡な生活をしている男だ。
でも、野原ひろしってすごくいい男である。歳を取って、結婚して、家族を持って、野原ひろしの男としての魅力に気づく。
彼は家族思いだし、みさえに安月給(年収は600万円ほどらしい)だと文句言われも、しっかり会社勤めして奥さんと子供二人を養っている。犬だって飼ってる。
ローンは32年あるけど家族で住む家を持っている。手先も器用で日曜大工のようなこともやっている。
しんちゃん達を旅行やキャンプに連れて行ったり、休日も遊び相手になってる。
みさえが手抜き料理を作ったり、無駄なお金を使っても我慢しており、自分は少ないお小遣いでやりくりしている。
上記のことをできている人はどれだけいるのだろうか?
僕はひろしができることできないことが多い。
ひろしには余計なプライドや野心が無い。変な見栄も無い。
きれいな女性の前でカッコつけようとして、カッコつかない程度である。
僕みたいなプライドが高く見栄っ張りの人間ではない。
こんな風にできる男は、オシャレな服着て、知的な
そうな感じだしてるカッコつけ男よりよっぽどかっこいい。
ひろしに厳しいみさえにもやさしい。
みさえが作った、バザーで売れないボロボロマフラーをこっそり買いに行くくやさしい男である。
僕みたいな人間はひろしと同じことをしたら即アピールして、押し付けがましく奥さんに言うだろう。
人間としても非常に大きい。ミッチやーヨシリンのような大変面倒くさい人にも大人な対応ができる。
こんな記事もあった。
https://bizspa.jp/post-576785/
僕はひろしの年齢で歳を取ったことを嫌というほど実感し、絶望した。
小さなときは、足の臭い情けない男としか思わなかった。その男の年齢を越して彼の偉大さを知った。
僕はこの歳になっても何も成し遂げておらず、彼のような生き方もできない中途半端な男である。
野原ひろしを尊敬する。そして、野原ひろしのようになれない自分に絶望する。
野原ひろしに絶望する男は世の中にたくさんいるんじゃないだろうか?
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