若手映像制作者搾取の問題


なかなかの話を聞いたので久しぶりにNoteに残す事にしました。

若手映像制作者搾取の問題

今は休止中の映像スクール「ハンスコーレ」
だいたい基本過程が終わると新人にプロの仕事の紹介をしていました。

その仕事は発注者から直接受けないように間に入るのです。
マネージメントですね。その期間は1年くらい、その後は自分でなんとかしていってと。


 仕事を受けて手数料引いて若手に雀の涙を払うという搾取しているかというとそれは難しいのです。というのもそんな若手に払われる報酬なんてめちゃ安なので、引いてもたかが知れているし、管理の手数料の方が手間賃としてかかる(つまり赤字)
 
 なんでそんなめんどくさい事をするのかというのは業界にはびこる

「どこかに学生に毛が生えたくらいの人いない?」

映像業界にいる方ならどこかで聞いた事あるかもというフレーズ
 
人手不足で手伝いに来て欲しい、ただ予算がないから少ない金額で雇いたい。
忙しいのはたまの現場だけなので常時雇用は難しい。
普通の人は過酷で安いから集まらない。
それで求められるのは「映像(映画)業界に憧れる若手」

 ちなみに本当の学生を連れて行くと文句をとこもあるし、志望者でもスキルないと文句をいう。
 
 自分が取引で禁止にしているのは
1.現場でとっぱらいで払う(どんなに安くても請求書ベースで口座を通す)

2.2回目、会社(弊社)を通さず直接依頼して自分の都合よい取引にしようとする。

これを守らないところには派遣をしない。 

昔、自分が業界に入った平成初期なんかは多くの若手が映像(映画)業界に向かった。
我が帝京大学映画研究会もとある映画プロダクションに部員たちが出入りし、現場に出てこき使われていた。
 映画業界は若手はそこで低賃金で過酷な仕事をこなし学んでスキルを磨いてホンモノになる。部の先輩たちはそこから商業映画監督や有名俳優になった人もいる。

 時代は流れ令和時代
映像スキルは副業としてすぐにお金を儲けられるスキルとなっていきました。
撮影や編集もYouTubeでも学べる時代に
テレビや映画の世界でほぼ無償でも挑戦したい若手は絶滅危惧種に

 手間味噌ですが、ハンスコーレとその前身の私塾で残った若者はあちこちから声がかかりあっという間に優秀な若手と名前が売れた。

 で、冒頭に書いたまあまあの話なのですが
うちのOBでもうだいぶキャリアと実力あるスタッフT(まだギリ若手かな?)

Tがとあるディレクターから依頼を受けて仕事を受けた。このディレクターは自分も知っており演出家としては優秀。

 仕事をしているのは知っていたので、まあ、普通に取引していると思いきや
報酬を払ってないらしい、あらら・・・

 資金繰りが苦しくて支払いが遅れているのかなと思いきや、そんなレベルでないらしい。

 若手Tも生活あるし若手と言いながら、親方仕事もやるので別のスタッフへの支払いもあり日々、大変、そこでそろそろ払ってもらえなですかと相談しららしい。そしたらめちゃ不機嫌にキレ気味にこう言い放った。

「君ね、こんな報酬もらえるだけでもありがたいと思った方がいいよ」

いや、突っ込みどころしかない、そもそも払ってもいないし

 ちなみこれ昭和や平成の時代でなく令和5年の話

こういう話は昔は良く聞いた話

 その心は一流クリエーターの自分の元で仕事すれば自分のスキルアップになり勉強させてもらっている気持ちが大事でお金の話はするな

という心理なのです。

このTかけだしのころ、パチンコ関係の仕事で3日間遠方へ行ったら4500円だったらしく、これ1日15000円が3日間で45000円を桁間違えて振り込まれたと電話したら本当に1日1500円計4500円だったらしい。(電車賃で赤字!)
 これも勉強と思えという事らしい。

映像(映画)業界にこんな事があるのは分かります。
この業界は徒弟制度みたいなところあって、YouTubeとかで学べると言いましたが、それは本質的な部分が違っており、寿司職人でいうと銀座の一流店の板さんとチェーン店のアルバイト職人みたいな違いがり、同じように寿司ができたり、映像が出来たりするのは同じだけどなんか違う、その微妙な違いが圧倒的に違う。

だから、現場に出て働きながら学ばないとどうにも得られない部分もあるし

たまに弊社にも若手に信じられない金額で探しているんだけどと相談あるけけど、こちらが若手に払う給料に比べ赤字の場合でも受ける
(映画の録音1日5000円とかあった)
1回目はスキルがないし安くて仕方ない。ただ、東京都の最低時給を求めても現場に入れないのだ。

ただ1回だけ常習的にこれを繰り返す制作会社やクリエーターは見込みがない。断る。

今回の件のTはすでにスキルありあちこちから高い報酬でスケジュールの奪い合いまで起きているのに・・
 かといってそういう若手を搾取する人って自分はしっかりギャラを受け取ってベテランのスタッフには先に払い飲み食いし贅沢し若手は後回しになり生活が苦しくてのらりくらり払わないであの発言につながる。

自分も偉そうにいっているけど、支払いの遅れをしてスタッフに迷惑かける事もある(さすがに未払いは絶対やらないけど)

 こういうのを公開するのはこれから業界に入るリアル若手にはネガティブな話だけど、キチンと対応すればかなり美味しい展開だとおもうのです。
 だって若手映像制作者は絶滅危惧種、市場はブルーオーシャン。

お勧めは敢えて低い報酬を設定して2回目以降はあげる作戦。
豊臣秀吉のお伽衆「曽呂利新左衛門」の話で報酬に米を一粒もらって次の日は二粒にってやつみたいな(ちなみにこの作戦47日で1000万石になり秀吉は謝罪)

 最初から高い報酬設定するのは(スキルないので)ダメです。未払いはもっとダメ。

現場が怖い人は自主映画サークルに参加するのもおすすめです。
有名な映画監督「上田慎一郎」氏はこの作戦でスキルを磨いたそうです。
これだけで映像専門学校の学費200万くらい浮いたのでは?

 本来なら弊社のスクールをPRしたいのですが(学費無料)
今はやっていないので、ポジショントークにできず・・
 
 昭和・平成の映像オジサンたちはもう引退してきて業界もクリーンになっていると思う。
 今の方が技術も画質も進化し、良い時代になってきているので是非、若手の方映像業界来てください。
 未払いの問題は相談乗れるかも。
 

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