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映像制作者が持つ「投資感覚」と「労働感覚」


2期生シネマカメラの講習

今夏も映像制作塾「Han Schole」を開催する事になりました。
今回はかつてないキチンとしたシステムと豪華講師陣で臨みます。

映像制作志望者へ向けた講義ネタで思う事があり備忘録を書きます。


16㎜フィルム撮影講座も計画中

私が人様に人生こうしなきゃなんてとても言えないのですが
お勧めとして伝えたいのが

「投資感覚」

なのです。

どの業種でも使える感覚かもしれませんが、自分は若手の映像屋さんに向けて伝えます。

令和6年、本当にドラスティックに世界が変わってきてちょっと前まで当たり前だった感覚が変わっていきます。最先端の考えもすぐに陳腐化する。

「投資感覚」とは映像の仕事自体を「投資」にしていく事です。

今年新NISAがスタートし老若男女 投資が熱いです。
ここでいう「投資感覚」はNISAにぶち込むことでなく、むしろこういう投資はあまりお勧めしません。

若手クリエーターにお勧めしないです

若手映像制作者は希少な人材です。自分自身に投資してほしいのです。
技術の勉強や機材や人生経験などたくさんあります。
もっというとInterBEEやCP+のリアル参加。技術書を読む、機材を買う。演劇を見る、美術館に行く(映画は背伸びして観る必要ないです、映像以外のインプットが大事)身の丈に合わない高級な食事にいってみる 等々

投資は複利運用で長く回す必要あるから早く投資が必要!
と若いのにしっかりしている人もいると思いますが
映像制作者として稼ぐようになる方が、安全でレバレッジ効く投資だと思います。
 独り立ちして稼ぐようになってからそういう「投資」しましょう。

豚の貯金箱は自分自身ですよ!

で、若手時代も仕事が来る場合があるわけですよ。
弊社でも新人にどんどん仕事回します。
そこでの働き方が

「投資感覚」か「労働感覚」

の二つの感覚に分かれます。

昔、独立する前に勤めていた会社で素人さんにカメラの使い方を教える仕事をしていました。その会社、繁忙期の人手不足のために高い時給で募集をかけるのです。当時自分は20代だったけど、リストラ・転職組の大人達が結構来ていました。
 技術は素人だけどプライドは高い・・・。
 そのオトナさんがデビューした話を聞きました。
撮影がひととおり終わって、追加で撮影する必要があったらしくその方にお願いしたそうです。でも、面倒くさかったのか疲れていたのか
「そこまでやるギャラは貰ってない」と拒否したそうです!
(全くの素人なのに、高い時給で現場きているのに・・)

この感覚がわかりやすい

「労働感覚」


弊社の仕事では行事が始まる前にイメージショット・素材撮りが必要なのです。若手さん、こういうのチャンスです。いやっていうほど撮影したほうがいいのに。現場来てもぼーっとして行事始まってやっとRECする人もいる。
(その相方のベテランが素材撮り一生懸命やるというね・・)

 どうだろう、これ。雇用する側からは言えない話だけど

 こういう仕事って時給とか日給で雇われている、基本的には「労働」です。
ケーブルまいたり、物を運んだり、報告書書かされたりといろいろ頼まれる。
先ほどの素材撮りは自主的にやる事で多く撮ってもギャラは変わらない、

これを「投資感覚」で捉えると
素材撮りは技術を磨くチャンス。拘束された時間を自己投資の時間と捉えるのです。先輩の仕事を盗んだり現場感覚を身に着ける。

自分は映画を撮りたい、MV監督をやりたい、YouTubeクリエーターになりたいからこういう雇われ仕事は自分のやりたい事につながらない、センスは磨けない、お金の為にやっているという考えの人もいます。

「投資感覚」と合わせて意識したい感覚が

「1万時間の法則」

です。

1万時間の法則とは、ある分野のエキスパートになるには1万時間の練習・努力・勉強が必要だという理論です。 1万時間の努力がなければ一流にはなれないとする理論です。 イギリス出身の元新聞記者・マルコム・グラッドウェル氏が広めて一躍有名になりました。

マイナビニュース

プロの映像制作者になるのってこの1万時間の法則は確実にあります。
もちろん圧倒的なセンスで映画やMV作れる天才はいてそういう人は1万時間などなくても物事を成せます。

ただ、若手の映像制作者さんに伝えたいのは映像屋さんもプロという意味では大谷翔平や藤井聡太と同じスタンスだと考えています。

二人ともお金を使わない事で有名ですが藤井聡太さんがインタビューで
「お金を使うとしたら何に使いますか?」と聞かれて
「(将棋シミュレーションするための)ハイエンドな自作PCです」と答えたそうです。
これは究極の「投資感覚」ですね。
申し訳ないけど昭和のスポーツ選手みたいなお酒飲んでばかりは「浪費」ですわ


話を戻します。
我々がいう映像制作者さんはオンライン講座でプレミアを習い、独学で一眼レフを使っているクリエーターではありません。
よくいう「業務」として行うプロ人材なので1万時間の法則は避けられません。
 1万時間費やすというイメージなく、日常を勉強と修行に意識を振り替えれば1万時間の法則を爆速でクリアしていきます。

 弊社の仕事で「お泊り保育」があります。1泊2日で子供達を撮影します。
これは2日間まるまる修行・勉強=「自己投資」できます。
 また、映画でアシスタントに入ると報酬は安いですが、1万時間修行が爆速で進みます。めちゃくちゃ大きな自己投資になります。

「労働感覚」で捉えると映像業界はまだブラックな面あるかも
好きな業界で入ったなら「投資感覚」に切り替えればどんな仕事も「自己投資」になりえます。・
それがなく「労働感覚」だと他の業種やホワイトな働き方改革などの情報に惑わされ「好きな業界なのにつらすぎる」と夢をあきらめる人がどれだけいるか・・

令和時代は「修行」「残業」「業務外の勉強」なんて避けられる
これを「投資」と捉えて栄養にする人は「ブルーオーシャン」でもあるのです。
同世代のライバルと違う道を歩むのでチャンスは無限です。

そんな事してもキツイだけ、パワハラや違法労働させられる
と思う人もいるかもしれませんが、実は成長が早く
逆に楽なのです。

そんな「投資感覚」などをHanScoleの講義ではもっと実践的な説明をしていきたいと思います。

もちろん業務撮影はマンツーマンで行いますよ。
長くなりましたが、今回はこの辺で


                          HanScole/株式会社 汎企画 代表取締役 香月達行

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