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祝/呪 1013

いい日だった

それだけで済ますには勿体無いくらいの日


画面の中で観る彼、イヤホン越しに聴く彼の声とは比べものにならないほど実際の彼は尊かった。


感情が籠る声
歌っている時の表情
コードを弾く指
逆光の照明からなぞるシルエット
動きに合わせてふわっと浮く髪の毛


どの一瞬も見逃すまいと片時も目を離さなかった


「歌える?」と言わんばかりに、ニコッというよりかはニヤッと笑ってマイクを観客に向けた時、間違いなく私の音量調節能力はバグった

出せる限りの大声で歌った


「もっともっと」って手で煽っているのが可愛かった


「一回やってみたかったことがあるんだよね、やってみていい?」

「」

「」

「2階席ーーーーー!!!」

「」

「もう一回やっていい…?」


全私が悶えた


アンコールで観客が一体になってるのが楽しかった


アンコールを受けて舞台袖からステージに戻ってきて

「うるせえ!!!」と言われたのがご褒美だった



彼が生きているのが嬉しかった

存在していることを確かめられたのが嬉しかった

同じ時代に生きているのが嬉しかった
会いに行くという選択がある人生
会いに行けるという事実



彼の書く歌詞と言葉が大好き
唯一無二の音楽
私が生きる上で欠かせない音を創る人


彼の音楽に出会えたことが人生のターニングポイント



余韻だといつか薄れて消えていってしまいそうで悲しいから韻であってほしい。

余った感情を引きずっている訳じゃない
ずっとその空間で感じた気持ちの中に浸されていたい。


今日の記憶を余計な外気に触れさせる前に隙間なく蓋を閉めて大事に飾っておきたい。



彼が何回も
「大阪は元気だなあ」
「もっといけるよなあ?大阪あ!」
「美しいよ大阪」
と言うので、私の名前は大阪なのではないかと思った



彼の存在が、彼と出会えた事が
私の人生でのお祝いでもあり、呪いでもある

一生囚われて生きていきたい


だいすき



中川大阪

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