プロメテウス 劇中映画のアラビアのロレンス

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07CXGW4Y1/ref=atv_dp_share_cu_r

ネタバレアリ。

ギリシャ神話のプロメテウスの名前がタイトルに着いているけど「エイリアン」の前日譚なんだよね。
公開当時は、詐欺だ何だと意見も多かったのと、芸能人吹き替えも相まって批判的な意見が多かったと思う。
実はアマプラで、はじめて観るけど「エイリアン」の前日譚として観ると、滅茶苦茶面白いんではないかと思う。
エイリアンで長年謎とされていた部分が分かったのも考察が捗るし、想像の余地を残してあったのも良かった。
登場人物が多く出てくるが、群像劇が邪魔にならないのも脚本が、ちゃんとしている証拠。
人類を想像したかもしれない異星人の存在が証明されてしまってしまったため、クリスチャンの主人公が信仰に迷うというのが、欧米らしい。
登場人物たちは多いが、こういう映画なんで、どんどん減るし容赦が無い。

マイケル・ファスヘンダーの演じる人造人間のディビット。
エイリアンの世界の人造人間は、人間と変わらない部分は、ほぼ無い上に有能。
ディビットも人間よりも長い寿命、身体能力、頭脳を持っている。

今回の映画のテーマは「進化」と「創造」なので、ディビットが、エイリアン世界の添え物だった人造人間の枠を超える部分にある。

異星人が「何故人類を作ったのか?」という問いに対しての理由は「作れたから」と答える部分がある。
それは結局ディビットたちにも言え、何故「人類が人造人間を作ったのか?」は作れたからなのだ。
もちろん、便利だからという理由はあるが、作れたから作ったという単純な理由は、知的生命体を現すのに納得できるセリフだった。
ディビットが冒頭で観ている映画はアラビアのロレンス。
映画の台詞を引用する場面も多いから、ディビットに大きな影響を与えているのがわかる。

青い瞳に白い肌のロレンスは中東では異邦人である。
ディビットが同じ生命体でありながら余所者、部外者のような居心地の悪さ。ハマらないパズルのピースのようなロレンスと自分を重ねていたのではないかと思う。
これは明言されていたわけではないので、あくまで俺の解釈。
劇中のディビットは感動することはあっても共感性は低い存在で、とんでもない事態を巻き起こす。
同じ人造人間でもエイリアン2で出てきた人類に対して好意的なビショップとは大違いである。
エイリアンで出てきた人造人間アッシュは会社の命令のために躊躇なく人をころせるので、人造人間も個性は様々で、もう完全に人間なんだよね。

エイリアンシリーズを知っている人でも、知らない人でも楽しめる映画なので「化け物に理不尽に人類が襲われるのが好き」って人にはオススメ。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?