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自分の「苦手」を分解しよう!その中に潜む「得意」を引出す

内向的な人、自己肯定感が低いと思っている人、行動意欲が上がらない人に読んで頂きたい記事です。

人には、それぞれ得意なこと、苦手なことがあります。
そして、時として、最初に苦手なことをやらなければ、その後の得意なことに入っていけないことがあります。
そんな時、これ全体を「苦手」と一括りにするようなことが発生します。
これは、とてももったいない状態です。

この状態をどう考えて改善すればよいか、例を交えて考えてみました。



30年振りに友達を誘ってみた


私は、人を誘うことに対してためらいがあり、とてもおっくうです。
なぜなら、自分のためにプライベートの時間を割きたい人なんていない、と思ってしまうたちだからです。

また、自分も自身のプライベートを大事にします。
一人の時間が大事です。

これらが組み合わさって、全体として、

「自分は人付き合いが苦手である」

という自己意識が形成されています。
このため、プライベートで自分から人を誘うことはめったにありません。

私は、13歳の終わりに転校で地元を離れて以来、30年地元に戻っていませんでした。

40歳を過ぎ、転勤で30年ぶりに地元に戻ることになりました。
そこで、13歳当時、一番仲のよかった親友の山本君に、30年ぶりに連絡を取り、会うことになりました。

しかし、会う約束をしたものの、心中では、
「山本君は仕方なくオッケーしただけで、ほんとは乗り気じゃないんじゃないか。」
とか、
「会うはいいけど話すことも早晩なくなり、つまらないと思われるんじゃないか。」
とか、ネガティブな考えが頭をよぎりました。
いつもそうなのです。

私は青春期のある時期、極めて自己肯定感が低く、自分を必要としている人なんてこの世に一人もいない、と思った時期がありました。
その時の感覚のなごりから、いまだに脳の深層で、自分のために他人のプライベートの時間をもらうことに、強い抵抗があります。

ところが、実際に会ってみると、ぎこちなかったのは最初の10分ほど、後の3時間は昔話に花が咲き、本音で話し、笑いあって「また会おう」と別れる最高の時間を過ごしました。



苦手と得意を分解してみる


私は、この経験をきっかけに、あらためて自分の「苦手」と「得意」について、じっくりと考えてみました。

苦手
自分から「今度会わない?」と人を誘うこと。自分から声をかけておいて、何の価値を提供できるの?楽しいと思ってもらえるの?という心の声がこだまします。

得意
いざ実際に会って1対1で話をすると、じっくりと相手の話をきくことができる。
会話をつなげることが得意。
相手に話させる型を知っている。

これは、私が長く人事の仕事に携わる中で、採用面接や人間関係のトラブル、社員からの苦情・問い合わせに対応してきたキャリア上の経験もよい影響を与えていると思います。

また、幼少期から楽器演奏、スポーツ、お絵かきなど趣味が多く、大人になっても、興味をもって相手の話を聴ける分野が広く、色んな人と多方面にわたって話を合わせることが得意です。




苦手と得意の時系列を俯瞰する


私はこの経験において、苦手なことの先に、得意なことが連なっている、という時系列が悪さをしている、と気づきました。

一番苦手なこと、気が向かないこと、つまり「自分から誘う」という行為が、順番的に一番手前にある、ということです。

 ①自分から誘う ・・・>ここだけ苦手
⇒②会う 
⇒③話す 
⇒④次に会う約束をする

これが、自分の得意なこと、好きなこと、自然にできることまで順番が回ってこない原因になっていたのです。


野球に例えると…

ある野球チームに、強力な2番、3番、4番バッターがいます。
ところが、1番バッターが自信をなくし、「打席に立ちたくない」、とベンチの隅っこでうずくまっている。
この1番バッターのせいで、試合がストップしてしまっている。
こんな状態でしょうか。

1番バッターは、自分が恥をかきたくない一心で打席に立ちません。
しかし、強力な2~4番がいることは、チーム全体にとっては大きな強みです。
1番バッターは、自分が恥ずかしかろうと、我慢してとにかく打席に立てば良いのです。
そうすれば、例え三振したとしても、次のバッター、そしてその後に続くクリーンナップにつなぐことができます。


どこか1つ苦手、弱み、嫌い、と思っていることがあると、それに引きずられて全体を「苦手」と誤認したり、行動を最初からあきらめたりする。
これは本当にもったいないことです。

私は、いまだに人を誘うことにためらいがあり、かなりの勇気を必要とします。

しかし、振り返ると、自分から声をかけて人に会い、最終的に気分が悪くなったことや、誘ったこと自体を後悔したことは一度もありません。
入口が最大のネックだったわけです。

私にとって、人を誘う、という行為は、野球の例えでいう1番バッターなのです。そして、1対1のコミュニケーションにまで持ち込むと、2~4番バッターを打席に立たせることができます。




あなたにとっての1番バッターは何ですか?


あなたには、ある分野でこの1番バッターに相当する弱みがありますか?
同時に、その後に控える2~4番バッターに相当する強味がありますか?

それらは、時系列で並んでおり、たまたま先頭の1番打者が弱みであることで、2~4番打者にチャンスを与えられずにいることはありませんか?
結果として、チーム自体が弱い、と思い込んでいませんか?

2~4番打者を信じて、1番打者になんとか打席に立ってもらう。
1番打者に「そうかい、いいんだよ。打席に立ちたくないなら家に帰って寝ておいで。」
と優しく声をかける選択肢もある中で、
チームの勝利のために一番良い選択は何か、と監督の視点で考えてみる。
そうすると、自分の弱み、苦手なことに対する見方を、少しだけ変えられるかもしれません。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。




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