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-願いが叶う場所-ピーキーモンスターズ世界観小説(2)

願いが叶う場所がある。


それはどこにでもあるけど、

どこでもない。


願いの成就を助けるものがいる。


それはどこにでもいるけど、

どこにもいない。


願いがあって、初めて動き出す。


動き出したら形をつくり、

形ができたら認識できるようになる。



すべては、願いからはじまる。


ーーー


とある動物園で
動物達の身体と魂が
一斉に離れようとした時、

たくさんの願いが交差した。


ある動物は、
美味しいものをたくさん食べたかった。

またある動物は、
きょうだいが欲しかった。

別の動物は、
人間の生活に憧れていた。


そしてそこにいたある人間は、
動物達に、自由に、幸せに生きてほしかった。


折り重なった願いは、

薄く像を結びだした。


だんだんと色付き、

輪郭が鮮やかになり、


やがて全てが調和した
ひとつの場と成った。


そこは、動物達の身体がある世界と
非常によく似ていた。

しかし、それとは同時に存在しながらも、
決して重ならない世界だった。


動物達の魂は、
身体と離れた瞬間

ふわりと包まれ、そこに運ばれた。


ーーー


「"記憶"と"辻褄"は?」


「一部をいじって合わせた」


「なぜ?」


「1番強い願いが"動物達の幸せ"だったから」


動物の魂を運んだものたちが囁き合う。


魂は皆、
まだ深く眠っていた。


「全てを知らない方が幸せ?」


「いや、知りたいという願いは今のところないから。動物達が現時点で最も幸せに暮らせるやり方の一つが、知らせないというだけ」


「動物達が知りたいと願ったら?」


「その時はその時。知った上で幸せに生きられるように対処する」


「了解」




静まりかえった世界で、今、

動物達が目を覚ましはじめる。




ーーー




ラスト三作目-邂逅-はこちら。
https://note.com/hamsta_crowned/n/nd33519660421


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