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家族愛が生んだ、50年越しの結婚式。

大好きな祖父母へ感謝の金婚式計画


『おじいちゃんとおばあちゃんの金婚式(結婚50周年)に何か特別なお祝いをしてあげたい。おばあちゃんにウェディングドレスを着せてあげたいんです。』

問い合わせてくださったのは20代前半の女性、わかばさん。
大好きな祖父母の金婚式を特別なものにしたいと連絡をくださいました。

ある時、ひょんなことからおばあちゃんが、「ウェディングドレスを着てみたかったなあ」とぽろっとおっしゃったそうです。


50年前、神社で結婚式を挙げ、二人は夫婦となりました。その時は和装での晴れ姿だったため、ウェディングドレスは着なかったとか。


おばあちゃんの心の中にあった思いが出た時、わかばさんは初めておばあちゃんのウェディングドレスへの憧れを知りました。


わかばさん家族は父子家庭のため、同居しているおばあちゃんとおじいちゃんもわかばさん兄弟三人の子育てや生活をサポートしていました。

だからこそ、わかばさんをはじめとする孫達にとっても、祖父母の存在はとても大きく、そんなふたりに家族全員、心から感謝していました。

ちょうど4月にふたりが金婚式を迎えるため、
親戚も含め、家族全員で、盛大にお祝いをすることに。

金婚式のお祝いに、伊豆への家族旅行へ行くことは決まっていました。
「その中で何か特別なお祝いがしてあげたい、ウェディングドレスを着る夢を叶えてあげたい」と、わかばさんはおっしゃいました。

旅先で行うサプライズ。
普段はレストランやホテルでのご依頼が多かったため、
旅先でというご依頼は初めてでした。満足のいく形で叶えられるか保証がなく、依頼を受けて大丈夫なのか悩みました。
しかし、わかばさんの強い想いをどうにか叶えたいと、お手伝いさせていただくことにしました。

ウェディングドレスを着せてあげたいこと、挙式をしてあげたいこと。
わかばさんが一番してあげたかったのはこの二つ。
ただ、おじいちゃんの足が悪いので宿泊先の近くで行うという条件がありました。
宿泊先周辺で、いいレストランや会場がないかリサーチしてみましたが、ピンと来るところは見つからず・・

そこで、家族が宿泊するホテルで、ウェディングの会場にできそうな場所がないか、問い合わせてみることにしました。
今回の事情とわかばさんの想いを伝えると、ホテルの担当者の方は、
「うちではウェディングをやっていないんです、ですがお客様の素敵な記念日にせっかくうちにお泊まりいただくのであればぜひ何かお手伝いさせてください。」
と、快く依頼を聞いてくださいました。

海に近い有名な温泉地。
お庭や海の見える小さな宴会場、敷地内にある和風のレストランなど、
ホテルの担当者の方が挙式場所を検討してくださり、宿泊先にて金婚式を行える方向性が見えてきました。
わかばさんにご提案すると、ぜひお願いします!嬉しそうにおっしゃってくださいました。

場所が決まれば、次は衣装決め。
今回は試着ができないため、ドレスショップさんに協力してもらい、
ふたりの体のサイズを元に、わかばさんとご家族にドレスとタキシードを選んでいただきました。
わかばさんやご家族と、打ち合わせを重ね、
お二人に喜んでもらえるような挙式の内容を一緒に考えていきました。

金婚式当日、待ちに待ったお祝い旅行がスタート。宿泊先に到着すると、、、


金婚式サプライズ当日。
わかばさんご家族はご自宅のある群馬県から伊豆へと向かいました。
この時まだ、おじいちゃんとおばあちゃんは伊豆へ旅行に行く、ということしか知りません。
私たちスタッフは、わかばさんご家族が到着されるまでの間にホテルの部屋をデコレーション。
そして、海の見える小さな宴会場に挙式場をつくりました。

そしてついにご家族が到着。
おじいちゃんおばあちゃん以外は先回りしてサプライズをするお部屋へ。
お部屋でウェディングドレスとタキシードを持ってふたりを待ちます。

そして、わかばさんがふたりを連れてお部屋へ、、、
「金婚式おめでとう!!!」
クラッカーとともにおめでとうの声がお部屋に響きました。

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「今日はおじいちゃんとおばあちゃんの金婚式のお祝いするためにみんなで用意しました。おばあちゃんがウェディングドレスを着たいって言ってたので、今からおばあちゃんにウェディングドレスを、おじいちゃんにタキシードを着てもらってお祝いをします!

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お部屋に入り、驚いた様子のふたりは、ウェディングドレスとタキシードに気づき思わず顔を隠して涙していました。
嬉しそうな二人を見て、家族全員の目にも涙が・・
その光景は、どれだけ愛の深い家族なのかを表しているようでした。


50年越しのウェディングドレスを。そして幸せな涙の金婚式の始まり


そして、二人のために、長い期間準備した金婚式が始まりました。
ファーストミート(衣装を着た新郎新婦が初対面する儀式)を行うため、おじいちゃんとばあちゃんは別々でお着替え。

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先に着替え終わったおじいちゃんは、夢のような出来事になかなか落ち着かない様子でした。


そして、おばあちゃんのお支度が整い、おじいちゃんの待つ部屋へ。

ウェディングドレス姿のおばあちゃんを見て、思わず照れるおじいちゃん。
おじいちゃんが照れる姿を見て、照れるおばあちゃん。
そんな二人の姿を見ている私たちも心から幸せな気持ちになりました。

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そして、結婚50年目の2回目の挙式が始まりました。
小さな宴会場にレッドカーペットをひき、ウェディングアーチを置いて作った手作りの挙式場。
アーチの向こう側には伊豆の美しい海が広がります。

まずはおじいちゃんがアーチの前へ入場。
おばあちゃんの入場は、お孫さん二人がおばあちゃんの両脇に並びエスコート。

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そして、ベールダウンを娘さんが行いました。

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二人の誓いを見守る牧師さん役もお孫さんが行い、家族一人一人に挙式の大切な役割を担っていただきました。

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そして、今回の一番のメイン、家族一人一人からおふたりへのメッセージ。
順番にふたりへメッセージを伝えていただいた時、
ふたりへの想いが溢れ、全員が思わず涙。その様子に、どれだけ二人が家族にとって大きな存在で、影響を与えていたのか伝わってきました。

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本当に温かい空間に家族の素晴らしさを感じました。
子供と孫合わせて7人からのメッセージ。しずかに耳を傾け、何度も頷きながら二人も涙を流していました。

そして最後は、ふたりにお互いへメッセージを伝えていただきました。


「子供3人と孫4人に恵まれて、本当に幸せです。」

「愛しています。」

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50年一緒に寄り添った二人だからこその言葉。
子供が生まれ、孫が生まれ、様々なことを経験し、乗り越えてきたふたり。
50年目の今でも、愛おしそうにお互いの晴れ姿を見つめるふたりを包む空気は、とてもあたたかなものでした。


二人の体調を考え、ウェディングドレスを着た時間はほんの90分でしたが、
その90分はおふたりにとって、わかばさんご家族にとって、かけがえのない時間だったことと思います。

金婚式が終わった後、こんなメッセージをいただきました。

「金婚式を上げてから、家族みんなで外食に出たり、笑いあっている時間が増えたような気がします。金婚式前も思い出そうとすれば何度かお出かけとかあったのかもしれませんが、それが幸せなことなんだと深く考えることもなかったためでしょうか。家族なので改めて考えたり伝えるのは恥ずかしいですが、そのような機会を設けてくださったことに感謝します。」

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毎日一緒にいるからこそ、家族との時間は当たり前で、そこにある幸せにはなかなか気づけないもの。
でも、家族を想いあう気持ちを改めてお互いが知った時、
その存在や過ごす時間がさらに大切になる。そんな大事なことに気づかせてもらった、とても素敵な金婚式でした。

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ハモンという小さなおくりもの屋で大切な人へ想いを届けるお手伝いをしています。 

おくりもの屋の日々の中で起こった、心がちょっぴり幸せになるお話を届けていきます。

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