131話 バーテン同士で①
初めてのジャズセッションへの参加から、一週間ほどが過ぎた。僕は結局誰にもあの日の出来事を話せないもどかしさと、一方的にやり込められた悔しさの中で、いつまでももがき苦しんでいた。
開店前の一人での仕込みの時間などは、その店が、自分が働く店とはそう遠く離れていないのもあって、(今頃、またあの店の連中は、誰かに高圧的に振る舞いながら、訳のわからない演奏をしているのだろうか)などと、つい想像をしてしまっていた。おまけに「おい、この間、ブルースハープ持って参加した奴、傑作だったよな。何