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高校の時好きだった人に6年ぶりに連絡を取ったサラリーマンが連絡を取るまで思っていたこと。

私は社畜だ。


人様に感謝されたり罵倒されたりするでおなじみの
サービス業に勤務する社畜だ。

この殺風景で殺伐とした世界の前は、
高校に通っていた。
気づいたら、土日は出勤日。
祝日も出勤日。
ノートに書き写していた日本語を操りながら
敬遠していた数字に追われている。

未熟者で何も持ち合わせていない高校生だった私は
「仕事」というものをひたすら続けて気づいた。
「魂」は「時間」で、我々は「魂」を減らしながら
その「魂」を豊かにするための「金」を「時間」と
交換している。これ即ち「労働」。。。

恐ろしい数式。
このサイクルの中に入ってしまってからは
人生はオワコンだ。
不安を娯楽で誤魔化すだけで精一杯だ。


前置きが長くなったが、
私は卒業する前に達成することを何個か決めた。
全てを憶えている訳では無いが、文化祭でバンド演奏をするとか、当時好きだった「Base Ball Bear」のCDを
コンプリートするとか、色々と決めた。

その中で達成できなかった「こと」があった。

それは好きな人と付き合うことだった。

それは吹奏楽部で同じだった同級生だ。
3年間同じクラスで、彼女はトランペットを吹いていた。

部長だった彼女は高校から吹奏楽部に入った
いわば初心者組だった。
私は中学生からずっとパーカッション(打楽器)で
下手ではなかった(自分では思っている)ので
彼女と話す機会はもちろん多かった。

彼女との会話はとても面白かった。
明るくて快活な彼女は、私が言ったことに
笑ったり、ツッコミを入れたりした。

こーんな雰囲気がずっと続いたらなんて幸せで
嬉しいことだろうと思っていた。

しかし、彼女とは何事も無く、卒業し
音信不通になり、今に至る。

大抵の青春の失敗談はここで終わる。
そりゃあそうだ。今更会ったところで何になる。

この6年間で私は腹が出て、考え方も変わって
彼女だってもしかしたら付き合っている人がいるかもしれない。

なのに。

連絡してしまった。

代わり映えのないこのサイクルの中で、

何か起こさないと私が見ているこの世界で、

何も起きずに死んでしまう気がしたからだ。

そしたら、驚くべきことに

2人で会うことになってしまった。

結果はまだ先の話だ。

何が起きるか、書いている今も分からない。

もしかしたら何も変わらないかもしれない。

ってか変わらないほうが確率高いんだわ。

でも、

なんか変わりそうな気がして

胸が苦しい。

あれ。

これって

青春。?

Base Ball Bear/「LOVE LETTER FROM HEART BEAT」

「LOVE LETTER FROM HEART BEAT
いま、溢れ出した この気持ち細微粒子ハート
飛ばして 遠まわしの“love you”Oh


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