俺のD2C論を聞いて欲しい
まず、短い文章で結論をまとめよう。
D2Cはインターネットが実現したかった夢そのものだと僕は思う。
モノをつくる人と買う人。そしてそれをつなぐ人。この3者で世界はずっと成り立っていた。ところがインターネットが生まれ、つなぐ人であった「店舗」が不要になる世界に向かいはじめた。ただ、実は店舗は無くなったのではなく、ネット上の「プラットフォーマー」に置き換わっただけだった。プラットフォーマーは、僕の前職のZOZOをはじめ、Amazonや楽天、旅行業会であればbooking.comやExpedia、移動だとUberやLyftなどだ。いずれも大きくなりすぎた。
プラットフォーマーの強みは、①集客、②顧客情報、③機能(物流、システム)の3つ。これが近年、民主化したという話がD2Cだ。
①はSNSに、②はAppleやGoogle 、③システムはstoresやBASE、Shopifyなどによって小規模なオンラインストアでもモール並の力を持ちはじめた。一番分かり易い国内の事例がMr.cheesecake(https://mr-cheesecake.com/)だ。彼らのサイトで是非一度買い物して欲しい(すぐ売り切れちゃうけど) 。クリエイティブは全ては洗練されているし、shopifyベースのカートは使いやすくて、Apple Pay(Google Pay)を使うと個人情報を入力する必要もない。(このPayの存在によって顧客情報がショッピングモール独占からAppleとGoogleのレイヤーに移った) そして集客面でも、SNSですぐ拡散して売切れてしまう。プラットフォームにしかできなかった売り方を彼らは自ら実現できている。そして何よりチーズケーキが美味すぎる。
もちろんAmazonやZOZOがなくなるという話ではなくて、その未来が見えているからこそ、PBをやったり、サイズ情報を活用したり、AWSといったインフラやフルフィルを外部に提供する事によって、2者だけの世界に向けて新しい価値を生み出そうとしてる。(はず)
最後に、この話には続きがあって、これで終わりではないという事だ。Apple PayやGoogle Pay、その裏側を担うクレジットカードなどもいずれはブロックチェーンに置き換わり民主化する。物流も3Dプリンターが家庭にあれば運ぶ必要すらなくなるかもしれない。つまり最終的には完全にモノをつくる(考える)人と、買う人だけの世界になっていく。そういう意味では、モノをつくるのダサい、プラットフォームっしょ!っていう考えが実はもう古くなってきてるのかもしれない。少なくとも僕はモノをつくれるテックカンパニーこそ最強だと思っていて、AppleやTeslaは代表的なD2Cブランドだ。
最近では、ブームにのっかてるだけのプレイヤーも増えはじめた事でD2Cはただのバズワードだという記事も多くなり、表面的なD2Cには僕も否定的だった。とは言え、Eコマースを愛しすぎている自分としては、この世界は待ち遠しかったし、これからのビジネスの中心になってくるという事に、また多くの人々が気づきはじめると思う。それは、物販に限らず、旅行やサービス、全ての業界でだ。何より、D2Cは僕らが大好きインターネッツがなし得たかった夢そのものであり、僕自身、その中で活躍する存在でありたいと強く思う。
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