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29,771 days - on kawara 2分で読むアート


河原温(on kawara)

愛知県刈谷市生まれの日本人美術家の河原温(on kawara)。1950年代から芸術活動を始め、日本での作品は一貫して具象画で、グロテスクな「浴室」シリーズをはじめ「物置小屋の出来事」「死仮面」等の鉛筆素描連作がある。
1959年に日本を離れ、メキシコ、パリ、ニューヨークと拠点を移す。高度経済成長期の過渡期にあった日本を離れる直前に「コミュニケーション(伝達)とは何か?描くとはどういうことか?」を命題に「印刷絵画」を制作する。メキシコでの活動はあまり記録に残っていない。パリ、ニューヨークでは文字や記号による作品に取り組んでおり1966年以降の「日付絵画("Today" Series)」を代表として、「I READ」「I MET」「I WENT」「I GOT UP」「I AM STILL ALIVE」「ONE Million Years」などがある。1966年以降の作品はシンプル且つコンセプチュアルな作品となっているが、作品の制作ルールとしてその日描きだした作品が1日のうちに完成しなければ破棄する(日付絵画)などの河原温自身の制作に対する厳しいルールが存在した。コンセプチュアル・アートの全盛期を迎えた1970年代以降、作風や立場を転換する作家が多い中、河原温は亡くなるときまで作風を変えなかった。訃報が全世界に流れた時、twitterでは「I AM STILL ALIVE」と呟かれていた。(*現在投稿は残っていない)タイトルは、公式バイオグラフィ「29,771 days」の記載から。

作品

日付絵画(Today Series)- 絵を収納する段ボールの中にはその日の新聞の切抜きが並べられる。
The Guggenheim Museums and Foundation


参考

所感

私自身の美術に関する記憶を辿ると2010年以前のものは、本当に何も残っていない。美術館や博物館に友達と行くこともあったし、楽しかった記憶だけはあるけど何を見たのか、誰といつ行ったのか、まったく記憶がない。

何処でどうやって知ったかのかが全くはっきりしない。それなのに作品の事はずっと残っていた作家。dommuneで誰かが話してたのを聞いて調べたんだと思う。絵画や作品を見る時に制作者の背景や意図、コンセプト、繋がりがより作品鑑賞を面白くする要素なんだと気付かされたのがonkawaraだった。

インターネットでは「このリンク先死んでるよ」っていう表現がある。
ハイパーリンクという概念が死ぬことは無いと思うけど、意味はそのリンク先は既にページが削除されていたりしてみることができないよと。インターネットの世界では、存在が無いと死んでいるとみられているともとれる。
ただのスラングだけど、人間がそう発するって言うことはそう認識しているのともイコールじゃないかなと思う。

作品に向き合って自身の生や死について考えた時に、onakawaraは自身の存在証明を作品として制作していたのだ。
普通の作家も作品作らなきゃ作家として死んでると言う方もいるでしょう。だからこそ徹底して自分が存在している証明を作品だけで行ってきていて、展覧会には姿を見せず、取材もある時期から受けないようになっている。

作品が誰かの手にある限り刻まれたその日のonakawaraは生きて制作していたことを証明する。

twitterの件は、実際にオンタイムで見ていたが、その際は外国でも記事にされてた記憶がある。「河原温はまだ生きている」って感じで。
今回アカウントを調べてみたけど、ほぼ毎日呟いてた投稿は無くなってて、フォロワーも全然いなかった。フォローしてた記憶があるけどフォローされてなかった。誰か詳細分かる人いたら情報欲しいです!

インターネットは未来永劫データが残ると勝手に思われてた節があるけど、全然昔の事調べられなくなってるし、実際色んなものが消えてる。

noteもサービスやめます!っていったら終わるしね。Ustreamも終わったし。UstTodayだけ続いてるけど、この前ひさびさに見てびっくりした。
大事なものはバックアップとローカル保存。

カバー写真はMicrosoft Image Creatorで作った2023/10/30という数字のタイポグラフィ。onkawara  today seriesということで。

別バージョン

2分シリーズは自分の整理になるのでボチボチやっていこうと思います。
読んで頂きありがとうございました。


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