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食パン:オンオフの切り替えをするために

 昔からパン屋さんの評価は食パンで下している。クリームパン、クロワッサン、塩パンという変遷もあったものの、やはり不動なのは食パンだ。一番シンプルなパンだからこそ、そこにその店の特徴が出る。

 カリカリの耳、ふわふわの生地、優しい味に個性強めの変わった味。あのシンプルなパンに、パン屋のこだわりが詰め込まれているような気がしてやまない。

  一番好きな食パンの食べ方は何か、というと、出来立てホヤホヤのまだ切りにくい食パンを切ってそのまま食べることだ。もうひとつ付け加えてしまおう。そうやって味わったあとで、すぐにまた食パンをトーストで焼いて、バターをたっぷりつけるのだ。さっきそのまま食べた時の味と焼いた時の味を比べてみて、ああ、どちらもいけるなあなんてにやにやしながら思う。

 こうやって食パンを食べていると、1斤の食パンがいつの間にかなくなってしまう。お財布にも体重にも悪影響だ。だから、こんな贅沢な食パンの食べ方は滅多にするものじゃない。

 けれど、たまーに至福のひとときを味わうのが何よりも幸せだ。自分へのご褒美とでも言おうか。

 自分へのご褒美というのは、自分を甘やかす最もシンプルな言い訳だ。使い勝手も良いし、それなら仕方ないと開き直ってしまうからだ。

 悪魔のような言葉であるのは間違いないのだが、そんな甘えも時には必要だ。平日に仕事でぐったりとした体に、自分へのご褒美は必要不可欠だ。自分へのご褒美の使いすぎは禁物だが、適度な使用は最高のモチベーションとなる。

 オンオフの切り替えというのは、人生において最も重要なスキルのひとつであると認識している。その切り替えに有用なのが、この悪魔の言葉、自分へのご褒美だ。

 オンの時にいかに頑張れるかどうかは、オフの時にどれほどリフレッシュできるかにかかっている。だからこそ、オフの時は自分を甘やかしても良い。オフのときには好きなだけ甘やかして、オンの時にまた頑張る。そんな日常を送っていきたい。