二次試験対策【物理・化学・生物】
「物理」の2次試験対策は
➀ 「力学」「電磁気」は最優先で押さえよう
② 出願校の解答形式にあわせた記述力を身につけよう
➂ 各分野の代表的な問題を徹底練習しよう
近年の出題傾向
物理は、旧課程やそれ以前から学習すべき範囲が大きく変わらない科目の一つです。また、各分野の出題頻度も昔からそれほど変わらず、やはり定番は「力学」と「電磁気」です。しかし、近年のいわゆる「思考力」を問う時代の流れから、あまり見たことのない設定から物理的に考える力を試す問題が出るようになりました。
頻出分野
・力学
・電磁気
科目の特徴
物理は、理科の中でも特に論理性の高い科目です。したがって、論理を正しく積み上げていけば、あらゆる公式を導いたり現象を説明したり、さらには解いたことのない問題に対しても結果を推測したりできます。しかし、この「論理」を抜かしてしまうと、例えば公式を丸暗記することになり、覚えた公式を適用できる場面とそうでない場面の違いが分からなくなります。すべてとは言いませんが、少なくとも簡単に導ける公式については自分で導出できるようにし、「物理的な勘」を養うことが重要です。
また、物理の各分野(力学、電磁気、波動、熱力学、原子)には、それぞれに代表的な問題があります。さまざまな問題設定が与えられる昨今の入試問題ですが、それらも突き詰めれば典型的な問題と同じ考え方で解けるものばかりなので、まずは教科書傍用の問題集などに収録されている標準的な問題から始める方がよいでしょう。
前期試験までにすべき対策は?
どの大学でも必ずと言っていいほど出題されるのが「力学」と「電磁気」です。したがって、これらの分野については最優先で学習を進めましょう。一方、その他の分野である「波動」「熱力学」「原子」は、大学によりますが、どの分野も同じぐらいの確率で出題されることが多いです。さらに、これらの分野にはそれぞれ代表的な問題があります。
例えば、「波動の音波といえばドップラー効果」といった具合です。まずはこのような定番の問題から押さえるようにしましょう。
以上のように、物理は出題分野について大学ごとに大きな偏りがあるわけではありませんが、その一方で、解答の形式は大学によって大きく異なります。
答えのみ記述すればよい場合、完全記述式の場合、その中間の場合、変数から自分で設定する必要がある場合、などです。特に記述式や変則的な解答形式のものは、あらかじめ答案をかく練習をしておかなければとても太刀打ちできません。最初は正解を真似る形でも大丈夫です。とにかく「自分でかく」を徹底し、それを学校の先生や塾の先生などにみてもらいましょう。
「化学」の2次試験対策は
① 無機有機の暗記理解を徹底しよう
② 理論化学では核となる法則を深く理解しよう
③ 時間を測って問題演習に取り組もう
近年の出題傾向
化学の二次試験は、理論化学・無機化学・有機化学から満遍なく出題される大学がほとんどです。ただし、大学ごとに理論の中でも結晶構造が頻出などありますので、赤本等で自分が受ける大学の傾向をしっかりチェックしておく必要があります。
また、難関大学になればなるほど、無機化学単体での出題は少なくなります。理論+無機、有機+無機と、総合的な問題が出題される点には注意が必要です。
対策が必要な分野
・有機化学の構造決定
・理論化学の理想気体と化学平衡
科目の特徴
「化学」という科目は、前述したように理論・無機・有機から満遍なく出題されます。つまり、「無機有機の体系的な暗記・理解」+「理論化学の問題把握・処理・計算力」が必要になります。
有機化学の構造決定は、共通テストでは問題数や出題範囲の都合上、一部を切り取られて問われることが多いです。二次試験では構造決定で大問一つということもあるので、全体の流れも踏まえての対策が必要です。ある程度パターンは決まっているので対策の有無で大きく差がつきます。
理論化学では、出題範囲や題材となる化学実験が多岐に渡るため、対策は容易ではありません。計算方法の理解はもちろんのこと、初見の問題を丁寧に把握し、処理、計算していく応用力も必要になります。理想気体、化学平衡などの範囲がこれにあてはまります。結晶構造、電気や熱の計算はある程度パターンが限られているので、大学の出題傾向によっては得点源になります。
また、出題範囲や題材となる化学実験が多岐に渡ることから、初見の問題が出題されると把握、処理に時間がかかります。二次試験においても時間との戦いになることが多いので注意が必要です。
前期試験までにすべき対策は?
上記のことを踏まえると、まずは、無機・有機の暗記・理解を徹底し、時間短縮+得点源にすることが最重要です。簡単な問題、対策が容易な問題を確実に得点することを前提に勉強を進めましょう。
次に、理論化学の計算方法の理解、処理・計算の最適化に取り組みましょう。問題は多岐に渡りますが、結局問われるのは各単元の計算方法の理解度です。核となる法則をしっかり理解しておくことが大切です。また、問題文、グラフ等を把握・処理する過程、計算の過程についての復習が重要です。読み取るべき箇所を素早く把握し、計算にできるだけ時間をかけないようにするためにもしっかり対策しておきましょう。特に、化学の計算は煩雑になりがちです。有効数字の指定も踏まえて、計算の最短ルートを考えることを徹底しましょう。
最後に、必ず時間をはかって演習しましょう。難問をとばして易問を確実に得点することも重要な戦略の一つです。前述した時間短縮の対策も含めて時間をはかって問題を解いていくようにしましょう。
「生物」の2次試験対策は
➀ 理解や繋がりをふまえた暗記を意識しよう
② 読み取り方もしっかり復習しよう
➂ 記述問題は要素をおさえよう
近年の出題傾向
生物の二次試験は、すべての単元から満遍なく出題される大学がほとんどです。ただし、大学ごとに遺伝情報・進化と系統はほぼ毎年出題されているなどありますので、赤本等で自分が受ける大学の傾向をしっかりチェックしておく必要があります。
また、難関大学になればなるほど、複数単元にまたがった複合的な問題が出題される傾向があるので注意が必要です。
科目の特徴
「生物」という科目は、実験・考察が基本的な問題の軸になります。共通テストでも実験考察問題は出題されますがそれと比べると、要求される知識の量・理解度ともにワンランクアップしています。また、実験は多岐に渡り、初見のグラフや図を読みとっていくことも多いです。さらに、記述で解答する問題の対策も必要になってきます。
前期試験までにすべき対策は?
上記のことを踏まえると、多岐に渡る実験考察問題に対応するためにも、問題演習メインで進めていくのが良いでしょう。その際に意識するべきなのは、復習の際に理解やつながりをふまえた暗記をしていくことです。生物の暗記量はかなり多く、丸暗記では太刀打ちできません。また、出題者の意図としても用語の理解も確認できるような問題を作成するはずです。
無闇に暗記量を増やすのではなく、理解のともなった暗記をすることで結果的に覚えられる量も増えていきます。
実験考察問題が中心のため、図や表、グラフの読み取り方も重要になります。復習の際に、「どこから」「なにを」読み取る必要があったのかまでしっかり確認するようにしましょう。
記述問題のポイントは、要素をおさえることです。知識の内容を問う知識型の記述問題と、実験の考察を記述する考察型記述の二つがありますが、いずれも解答の流れは、「要素を書き出す→文章として組み立てる」というものです。その対策として効率的なのが、解答の文章を確認し、その中から要素を抜き出してまとめてみることです。次にその要素を知識型なら覚える、考察型なら読み取り方を確認するといったように逆にさかのぼりながらの復習が効果的です。
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