不完全燃焼で終わった2024年アジアカップの反省会


ちょっとショックで、昨夜は何も書けなかった。
考えがまとまらないが、思う処を書き連ねてみたい。


まずは、敗退は残念だったが、日本代表チームはお疲れ様でした。今大会で感じたことは、どの相手も必死に日本に挑んできており、何としても日本相手に一杯食わせてやるぞという意気込みがあった。
相当の覚悟を持ってこられると、日本が余裕を見せてるような試合はできなかった。


大会前から、当方にも甘い考えがあり、戦力の底上げを重視するのは「アジアの大会では当然」だと思っていた。



こうした考えは失敗だったかもしれない。
しかし将来を見据えるなら、このレベルで勝ち上がれないとW杯本戦では生き残れない。その為にも、ある程度の勝ちパターンを固めて欲しかった。


今大会の最大の敗因は「守備不安」だった。

日本の土台となるべき「守備」が破綻したことが、全てを狂わせた。攻撃力が強力ではない国が勝ち残るには、基本となるのが守備であり、残念ながらその生命線が失われていた。

ベトナム 4-2
イラク  1-2
インドネシア 3-1
バーレーン  3-1
イラン  1-2

リーグ戦でのミスで0封がなく、その反省の上で臨んだKOステージでも、完封試合がないままで終わった。
これが「目に見えぬ不安」の正体である。

自信のなさは、心の焦りに繋がり、ミスになる。
強い成功体験が得られぬまま、どこか自信なさげで、微妙にやられそうな雰囲気を生み出して行った。
「1点リードではヤバいかもしれない」のような見えない不安が心をよぎると、プレーにも影を落とすことになったかもしれない。


大会期間を通じて、失点グセが治らぬまま終わった。
ベトナム戦で2失点の辛勝だった後、海外記者たちなどから指摘された通りの結果となった。


1)イラン戦

強敵であることは、分かっていた。
が、注意深く試合に臨み、幸先よく守田が先制点を挙げたことで、日本の試合運びは楽になるはずだった。
イランの攻勢を受けつつも、凌ぎ切った前半だった。

後半になり、日本はDFラインでボールを回してペースダウンでもしていたかのようだった。
攻撃の手を緩めたのか、動きが乏しくなり、ポジションに張り付いたような感じで、緩いボール保持の後で、イランがプレスに来て自陣後方まで大きく下がってしまった。その後、GKからのロングボールをセンター付近に送ったら、ルーズボールを拾われ間延びした中盤のスペースにボールを出され、一瞬の隙を衝かれたような感じでゴール前に出されてしまった。

ああいう場面での決定力がイランの実力の高さだろう。きっちり右ゴールポスト際に流されて同点となってしまった。


まあ局所的には色々とあるとは思うが、日本のやや自滅的な失点だった。不用意な緩いプレー(後ろでボールを回す時間が長い)の連続で、足が止まりがちだったのか、後方に戻した後に自陣深くにイラン選手に入られてしまい、守備隊形が崩れた。

気持ち的に消極的だったのが全体に圧し掛かったようだった。
守備にかなり効いてた前田の交代も、その後の苦戦を招く一因になったかもしれない。前田が残ってた方が、カウンター攻撃の可能性は高かったのではないかと思うが…

南野投入後だと、中盤のナカでボールを保持できる人間が乏し過ぎて、いくらサイドに三笘を張らせても、孤立してしまってボールが持てない。上田に入れても、相手の身体能力が高くて味方にボールを落としても、長い脚を出されて回収され後続手段が続かないことが多かった。

イランの勝ちへのイメージは、オフサイドで偶然救われたものの完璧に抜け出され、華麗にゴールへ叩き込まれたシーンで、なお一層強まっただろう。内心「ヤバかった」と皆が思ったのではないかな。

それでもどうにか無失点で耐えてきたが、最終盤でのミスが出てしまい、痛恨の勝ち越しを許すことになった。
イランは戦い方に迷いがなくて、日本が失点するのは時間の問題であるかのように思えたのではないか。

日本は攻めの糸口が見い出せなくなってからは、チャンスらしいチャンスもなく、シュートさえ打てなくなった。全体的に消極的だった。
前を向いてボールを持てたら、味方へのパスより、まずは自分が前進して仕掛ける姿勢がもっと欲しかった。近い距離でパスを出そうとして、相手の足にかかり突破てきない場面が多く見られた。

偶然の恩恵もあったが、守田の先制点はそうして生まれた。
ショートパスの確率が高いと相手はそれに合わせて守備をしてくるからね。イランの守備は1対1の場面で、殆ど負けてなかったのではないかな。

日本には、粘りがあまり無かった。
攻めも淡白で、足が長い相手にごちゃごちゃしてるうちに絡め取られて、シュートに行けないで終わってしまう。

遠目でもシュートコースがあれば、打てよ、と思う場面が何度かあった。

力負けした。


2)狙われた日本の右サイド

イラク戦でもイラン戦でも、攻勢を受けたのが右サイドの奥である。特に、ロングボールの対処にやや難がある、というのが出やすいから、ということもある。

低身長の右SB(あるいはSH)と右CBとの間に狙いをつけることが可能であり、後半のイランは前線右に攻撃2枚を置いて、ゴールをこじ開けようとしてきた。
2失点目も右側からのロングスローで目測を誤ったのか、声が聞こえてなかったのか、ヘディング空振り後に味方が重なり、ボールがこぼれた。


W杯直前にも、板倉のハイボール処理には注意を促したことがある。




この後、W杯スペイン戦でもヘディングシュートを決められた。身長差のギャップを衝かれて、クロアチア戦でも失点した。

このロングボール攻撃とか、低身長を狙うとか、そういうのはよくある戦術ですが、日本も考えて守備をする必要があります。

実力が僅差になると、勝敗を分けるのは主に「ミス」ということになりがち。


3)攻撃パターンの乏しさ

試合が膠着するのは仕方がないが、1-0で逃げ切り勝ちができる程には守備が堅くなかった。
中盤でボール保持時間が作れて、パス配球能力のある選手を投入したかったが、南野・上田となって受け手を増やすも通らない、となった。

エリア内に入ったら、まずはシュートを狙って欲しいが、どうしても味方へのパスや折り返しを考えてしまい、迷ってるうちに相手の足が伸びて回収されてしまう。


ボールの受け手が止まる時間が長いと、攻撃の時の動きが乏しくなり、相手は守り易い。

どこかで不均衡を作り出す必要があるが、止まって待ってるばかりでは、ボールの出し所がなくなってしまう。

安全策を優先して、後ろに戻すばかりでも攻撃に迫力がなくなる。

もっと自ら仕掛ける姿勢、積極性が求められる。

狭い局所に人数をかけるのは殆ど効果がなく、前を向いてボールを保持したら、できるだけ広い場所に逃げる動きをやる必要がある。
攻撃時に折角サイドから抜け出したのに、またサイドに戻すこともよくあるが、そのパス交換の殆どは相手守備網にかかる。

相手を動かした後で、外に開くなら分かる。
相手が残ってるうちに戻すから、引っ掛かる。

パスを選択せず、広い所に出たのが奏功したのが、守田のゴールだったわけで、可能ならそういう選択をまずは優先してほしい。
また、スペース(相手との距離)は時間をもたらす。



全体的にまとまりのない書き方だが、ご容赦願いたい。

今大会の失敗でチームが自信を喪失する必要はないが、見直すべき部分は多く出たであろう。精神的にもっと強くならないと、慌ててしまったり、ミスが出てしまう。
試合中に覆われる「弱気」は敵である。
用心深さや慎重さと、消極的・逃げ・弱気は別物だ。

「ボールを預けられても困る」「次の手が見えない」
みたいな雰囲気では、勝ち運が逃げてゆく。ボール回しをするのであっても「獲れるものなら獲ってみろ」というような強い気持ちでやるのと、探してるうちに追い込まれてしまうのでGKに返す、みたいな姿勢ではダメだ。危なっかしいだけ。


ドーハの地は、日本代表に試練を与える場所らしい。
残念だが、悲劇は現実のものとなってしまった。
当方の考えが甘かった。
これは素直に謝罪したい。

課題を共有したり、改善策を見出すことで、次へのステップへと繋がると思うので、これを糧として成長して欲しい。




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