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松山行き当たりばったり一人旅 Part2

■砥部に飛べ

 松山旅行記Part2です。
 前日は記憶を飛ばしながら中華そばを食べていたようですが、さほど二日酔いという状態ではなくて安心しました。旅先だと、ついついあれもこれもそれもどれもって頼んでしまいがちなので反省したいところだけど、こういう性格なんだなと諦観する姿勢も重要だと思っています、最近。

 ホテルは繁華街から深くに行った勝山町にとりました。居酒屋の数は日本でも有数との声もある松山ですが、そんな喧騒のなかでもぐっすり眠ることのできるGoodなお部屋でした。

 近くからは砥部方面行きのバスが出ているので、朝9時ごろにバス停まで向かったところ、次の便が来るのは約30分後……。
 なんもせんのもしゃーないと思い、近くのローソンで買った野菜スムージー的なのを片手にバスのルートをできるだけ先回りしようと歩いたとさ。
 めでたし、めでたし。

 結果としては伊予鉄のいよ立花駅を過ぎて、イオンに差し掛かった付近で路線バスに追いつかれたので、乗りました。
 しかしまあ都内のどこから乗っても200円ちょいな定額バスになれてるせいで、こういう田舎(失礼か)の運賃加算制なのはいつ乗っても焦りますね。
 いつだったか、父の生まれ故郷である山口県の周防大島に行こうとして、本土から路線バスに乗ったときは、あれよあれよと料金が釣り上がって、最終的には1,000円オーバーしちゃったんですよね。
「路線バスでもこんなに運賃とっていいのか!」と無知なりにショックを受けたことを思い出しました。
 うわ、この話めっちゃ蛇足ですね。

 バスでどんぶらこどんぶらこしてたら、砥部に着きました。砥部ってみなさん、知ってます? 焼き物で有名なんですよ。
 っていっても、器のよさとかあまりわからないので、俺はただただ好きな日本酒を買い求めにきただけです。

 「初雪盃」を醸す、協和酒造株式会社にやってきました。
 10年以上前に飲んで以来、ずっと好きな蔵なんです。
 これを恋って言うんですね(言わねえよ)。

 ここの何がすごいかっていうと、売っている銘柄ほぼすべてを無料で試飲できるんですよね。ここの蔵、いわゆる定番商品はあるにはあるんですけど、それ以外にも色んな種類を出していて、下手に酒屋で買うよりかはここで利き酒して自分の好みにあった初雪盃を見つけたほうが逆に効率がいいのかなと。

 今回購入した一部をご紹介。
 いずれも新酒ですが、それぞれ個性が違います。あれですね、ポケモンでオーキド博士からこの三匹のなかから選べ的な、そんなノリです。

 左は純米のオール愛媛の酒。初雪盃には珍しく6号系酵母をつかったお酒で、ライチに似たフレーバーリリースに甘酸っぱい味わい。へぇ、これなかなか良いですよ。世の中に出てる6号系でも、このフレーバーはなかなか面白いと思います。
 例えるなら、何の意識もしていなかった幼馴染が急にカッコよく見えはじめて、淡い初恋模様を知った田舎育ちのJCです(これいるのか)。

 真ん中は愛媛県産の山田錦を使った大晦日搾りのおりがらみ。大晦日にもろみを搾るとかなかなかのブラックだなと思いつつ、お味のほうは初雪盃らしく丸っこくアミノ酸を感じられて美味しいです。日本酒度の割にはキレも悪くなかったので料理にも合わせやすいのでは?
 例えるなら、言い寄ってくる男たちにいい顔を見せるくせに、いざ告白になるとすべて断っちゃう系JKです(これいるのか)。

 右は山田錦の無濾過生原酒です。新酒なのに既にノリ感満載で、わりと半年寝かせって言われても信じちゃいそうなくらいですね。熟成させたときに初雪盃が出してくれるカカオフレーバーの片鱗が窺えて、もっともっとイジメてあげたい……そんな味がします。
 例えるなら、今まで取っ替え引っ替え彼氏をつくってきたけど、本当に憧れの人ができて、その人の好みに近づけようと努力しているJDです(これいるのか)。
 まぁこんなんでも唎酒師の資格はとれます。徳利の先を反対にして注げば、マナーもばっちり! 君も完璧な唎酒師だ!(そろそろ除名されるかな)

 いつもお伺いするたびに、やさしくしてくれて協和酒造さんには頭が下がる思いです。これからも美味しいお酒を造り続けていただきたい。

 砥部にはろくにメシ屋がないので、コープでお弁当を買いました。値段のわりにボリュームあって、「おほほ」ってなりました。
 バス停で食べていたのですが、次のバスがもうあと5分で来ると知った瞬間にむせましたが。

 バスに乗ってやってきたのは、とべ動物園です。実はこの前々日に飼育員がアフリカゾウに接触して大怪我をするというトラブルがあったらしく、TVでもちょっとした話題になっていました。

 フラミンゴ。くさいです。

 カメ。かわいいです。

 アルビノのヘビ。首に巻いたら重そうです。

 ぼやけコンドル。中ボスって感じです。

 カバ。人間なんてイチコロです。

 サル。亡くなったうちのじいちゃんの顔を思い出して、すこしさみしくなりました。

 サーバル。気持ちよさそうです。

 ゾウ。確かに触れたら怪我しそうです。

 カンガルー。こいつら生きてて絶対楽しくないんだろうな。

 ペンギン。曲線美です。

 春の訪れを感じつつ、とべ動物園をあとにしました。
 動物園のなにがいいって、動物たちもこちらを観察しているって実感できる瞬間があるわけで、その瞬間にただの動物園ではなく、動物にとっての「人間動物園」に変化するところなんですよね。

 晩ごはんは前日と同じ「大入亭」にしました。こういう連チャンで好きなお店に行けるのって、一人旅の気楽さだなって思います。

 もちろん刺盛りもいただきます。特筆すべきはメバルですね。そもそも生食しないものだと思っていたので、こんなになめらかな舌触りで、淡さがほどける繊細な味わいだと知ることができて本当によかったです。

 な、なんとメバルの塩焼きも。うちの父方のほうではメバルは酒と醤油だけで煮付けにするのが定番なので、塩焼きにするなんて発想がすごく新鮮です。先ほどの繊細はそのままに、ふんわりとわたがしを食んだときのような食感も心地良い。

「大入亭」を出たあとは(今回も昨日同様安かった)、勝山町近くの「蔵元屋」にやってきました。愛媛のほぼ全蔵の酒を飲めるのが売り。

 どっちも好きな銘柄です。愛媛の酒は口当たりが柔らかくて、どこか懐かしくて、もっと飲みたくなる味。だから好きです。

 ここらへんから記憶がないのですが、ホテルには無事に戻ってました。

 最終日です。チェックアウトが10時だったのでダラダラして、そこから酒屋に行って、お昼時にもいい時間になりました。
 道中気になったのが、この「三河家」という牛丼屋。入ってみましょう。

 牛丼(500円)+みそ汁(50円)。
 そそられるビジュアルです。

 牛肉は醤油ベースで甘辛く煮付けられており、チェーンのそれとは一線を画す味。これがまたごはんとめっちゃ合うんですよね。大盛りにしとけばよかったと後悔するくらい。牛肉自体の質もなかなかのものでしたよ。
 みそ汁は愛媛のみそを使っているんでしょうね、甘く優しい味付け。ちょっぴり暴力的でもある牛丼をそっと支えてあげている感じがして、ほっこりします。いい昼食になりました。

 京王井の頭……じゃない、伊予鉄に乗ります。ほんと、懐かしい車輌です。

 やってきたのは東道後の「そらともり」
 複合温浴施設です。松山って大した観光地がないので、時間を持て余してしまい、ここでのんびりしようと思いまして……。
 平日昼なのに結構なお客さんがいたのですが、なにしろ館内が広いので窮屈さは覚えませんでした。肝心の温泉ですが「入った瞬間に感じる、お湯のヌメりに驚かれるでしょう。鎮守の森に囲まれ、リラックス効果が期待されます」との触れ込みの通り、ヌメヌメしたお湯が気持ちよかったです(雑すぎる感想)。
 なんでこんなにヌメりがあるんでしょうね? すごく気になったのですが、どこにも答えは書いていませんでした。

 レストランも併設されてて、なんとクラフトビールも常時8タップ繋がっているという俺得な展開。

 飲みたかった大三島ブリュワリーのブロンドエールをさくっといただき、空港に向かいます。

 ありがとう、きんかん(たまたま)。

 ありがとう、おうどんさん。
 ということで飛行機は羽田空港上空の混雑により、またもや遅延での出発となったのでした。とほほ……。

 いかがでしたか?(笑)
 みなさんも愛媛にしかないグルメを堪能して、日常に刺激を与えてみてはいかがですか?(煽り)
 このエントリーを気に入ってくたら「スキ」してくださいね!(爆)

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