祖父の一周忌とメロンとパセリ。
おじいちゃんとサヨナラして1年が経った。
もともと親戚付き合いをしない家族だったため、年末年始も、お彼岸やお盆だって、みんなで顔を見せ合うことはなかった。おじいちゃんと最後に話をしたのは、就職の報告に行ったときだから、かれこれ10年以上経っている。
今から2年前になるだろうか?おじいちゃんの意識がなくなって、急遽会いに行ったのは。もう呼びかけても反応できない、目も開けられない、やせ細ったおじいちゃんが病院の一室に横たわっていた。
駆け付けたものの、結局何もすることができなくてすぐに病室を出た。
半年以上、そのような状態が続き、雪が溶けた3月に永遠の眠りについた。私の地元は雪が深い。みんなが集まりやすい春先に旅立っていったのだ。
親戚一同で集まるなんてずっとしてこなかった家族が、おじいちゃんのお陰で3月に集まるようになった。集まってみても、少しぎこちない。親戚とどんな会話をすればいいかなんて学んでこなかったから、静かに黙っていた。
1周忌の後の食事会。
会席料理の最後にメロンが出た。
みんな黙っていたけれど、私、我慢できなくて言ったんだ。
「メロンの横のパセリいる?意味不明。」
緑色のメロンの横に、緑色のパセリが添えてあるんだもん…。
一同大爆笑。
嬉しそうだった。
みんな笑顔になった。
パセリは乾燥を防ぐって聞いたことあるような?と持論を展開するおばさまがいたり、一気に空気が和らぎ、口々に言葉を発するようになった。
普段はのけ者のパセリが、一躍ヒーローになった瞬間。
あのパセリはおじいちゃんが運んできてくれたのかもしれない。
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