就活に使えるSWOT分析
~あらすじ~
本noteは迷える就活生に向けて、経営戦略の視点から、就活へのアプローチを考察しています。
前回の記事はコチラ。
就活に活かせる経営戦略の概要は以下の通りです。
今回は、経営戦略では定番のSWOT分析を、就活でどう応用するかについてのお話です。
最初に結論です。基本戦略は、活かせるチャンスに活かせる強みをどうぶつけるか、を考えることです。そのためにどんなチャンスがあるのか?活かせる強みは何か?を一緒に考えていきましょう。
それでは早速行きましょう!
今回のフレームワーク:SWOT分析
今回のフレームワークはSWOT分析です。
ビジネスシーンでは定番中の定番です。
覚えておいて損はないので、少し内容を解説します。
SWOT分析とは
SWOT分析とは、企業や組織、あるいは個人の戦略を考えるときに用いる分析手法の一つです。
大きく、内部要素か外部要素か、プラス要素かマイナス要素か、という軸で表現され、「強み、弱み、機会、脅威」の4つの要素から成り立っています。
SWOT分析を使うことで自社の現状を正確に把握し、将来的な戦略や方針を明確にするのに役立ちます。
内部要素:強み(Strength)、弱み(Weakness)
内部要素とは、自社でコントロールできる要素のことです。強みと弱みがあります。
強み(Strength):
強みとは、組織や個人が持っている他者と比べて優れている点や特有の能力を指します。例えば、企業の場合、特許技術や高いブランド力、独自のノウハウなどがあります。
弱み(Weakness):
弱みとは、改善が必要な点や他者と比べて不利な部分を指します。例えば、古い生産設備やスキルの不足、コスト構造の高さなどが考えられます。
外部要素:機会(Oppor-tunity)、脅威(Theat)
外部要素とは、自社の外で起きており、自社ではコントロールできない要素のことです。機会と脅威に分かれます。
機会(Opportunity):
機会とは、組織や個人が利用することで利益を得られる外部の状況や変化を指します。例えば、市場の成長、新しい技術の出現、政策の変更などがあります。
脅威(Threat):
脅威とは、組織や個人にとって不利に働く可能性のある外部の状況や変化を指します。例えば、新しい競合の出現、規制の厳格化、技術の劣化などが考えられます。
SWOT分析のやり方
仕組み自体はシンプルなSWOT分析ですが、「分かったつもりになりやすいフレームワーク」でもあります。例えば、実際にSWOT分析に取り組んだ時、「何が強み/弱みなのか?」「何が機会 /脅威なのか?」を考えたときに筆が止まってしまうことがあります。
この時に意識しておきたいのが、「" 分析"とは“比較“することである」ということです。
(これは皆さんが社会人になっても絶対に役立つので、絶対に覚えておいて下さいね)
SWとOTに分けて説明します。
SW:競合を定めて比較する
SW(強み/弱み)を考える時に特に重要なのは、競合と比較することです。
よくあるミスが、
比較軸がないまま何となく考えるので思考が浅い
比較軸がバラバラなので思考がまとまらない
です。
なぜそれが強み/弱みと言えるのか?何と比べて強み/弱みと言えるのか?は言語化しておきましょう。
これをしなければ思考が薄っぺらいままになっしまいます。
具体的には
・競合は誰なのか?
・自社はどの市場で戦っているのか?
を明確にすることです。別の言い方をすると「自社は誰に対して、どんな価値を提供しようとしているのか」を言語化することで回避できます。
これ、意外と難しく時間も根気もかかりますが、めちゃくちゃ大事なので覚えておきましょう
OT:時系列の変化や他業界と比較する
OT(機会/脅威)を考える時に、「そもそも業界の特徴ってなんだっけ?」という壁にぶつかります。
そんな時に役立つポイントは
過去からどう変化したか
未来へどう変化するか
他業界との違い
です。
時系列や他業界と比較した切り口に着目することがポイントです。
参考情報としては、「業種別審査辞典」(図書館に置いてあります)などを読むのもオススメですし、ネット上で「〇〇総研」といったシンクタンクがまとめたレポートも活用できます。
ただ、これらの資料は分かりやすい反面、概要のみで薄っぺらいことが多いです。必ず自分で具体例を確認し、咀嚼し、自分の言葉で説明できるようにしましょう。一番手っ取り早いのはその業界の人に直接聞くことです。
重要:クロスSWOT分析
クロスSWOT分析は、内部要因と外部要因を相互に関連付ける分析方法で、SWOT分析のキモです。強みを活用して機会を最大限に捉える、など、組み合わせにより戦略を考える糸口にします。
図にするとこんな感じ。
ポイントは左上の強みx機会。
外部環境のチャンスを捉え、自分の強みを活かしていくのが定石です。
就活における使い方
以上がSWOT分析の解説です。
志望企業の分析にも使えますが、ここからは就活への応用という観点で解説します。
イマイチな分析の例
まずそもそも、学生さんが接している市場は「就活市場」ですよね。この市場において、学生さんが面している機会をざっくり考えてみましょう。どんなことが考えられるでしょうか。
例えば機会としては、
少子高齢化で企業の人手不足が加速しており、「売り手市場」になっている
などが考えられるかもしれません。
しかし、これはあまり良い分析とは言えません。なぜでしょうか。
なぜなら、全学生に当てはまることだからです。あなた自身にも当てはまりますが、他の学生さんにも当てはまるため、何の示唆にもつながりません。一言でいえば、「で、どうしたらいいの?」となるからです。
示唆につながる分析とするために、このO(機会)をもうすこし深堀ってみましょう。
良い分析には示唆がある
示唆につながる分析とは、例えば以下のようなことが考えられます。
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