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チームの熱量を高める技術〜個性を活かしたプロダクト愛の醸成術〜

はじめに

カスタマーサクセスチームが自社のプロダクトや会社に誇りを持てない場合、その姿勢がお客様に伝わってしまうことがあります。つまり、自社やプロダクト、サービスへのエンゲージメントが低いと、顧客へのサービスの質にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。
今回は、顧客の成功を実現するのために必要になるカスタマーサクセスメンバー自体のエンゲージメントに着眼してみたいと思います。

働きがいがエンゲージメント向上の鍵

一般的にエンゲージメントは、単に働きやすさだけでなく、働きがいにも大きく影響されます。働きがいとは、仕事の面白さ、魅力的な同僚、企業理念への共感など、多岐にわたります。この働きがいを高めることで、自然とエンゲージメントも向上すると考えられており、そうした研究結果もでています。

自立性とエンゲージメントの関係

エンゲージメントが高い組織では社員の自立性も高く、逆にエンゲージメントが低い組織では自立性が低いことが明らかになっています。これは、何かを他人が解決してくれるという依存性が高いほど、エンゲージメントが低下することを示唆しています。つまり、自らが問題を解決し、変化をもたらす力を持つことが、エンゲージメントの向上につながるのです。

自社プロダクトやサービスへの関与感が重要

ここまで整理してみると、メンバーが自身の仕事に対して高い関心を持ち、自立して業務上の問題解決に取り組む持つことが、エンゲージメント向上に重要であると言えます。
つまり、プロダクトやサービスへのエンゲージメトにはメンバーが自分たちのプロダクトに興味、関心を持てるか?が重要そうです。好きになれというのは難しくても、関心を寄せ熱心に改善に取り組むことはできそうです。そうなのであれば、興味関心をどうつくるか?に知恵を絞らなくてはいけません。

興味関心は採用時が肝

個人的には、プロダクトやサービスへの興味・関心は、後から生み出すことは難しいと考えています。そのため、採用時に候補者の経験とプロダクトやサービスとの共感ポイントを見極めることが非常に大事です。
例えば、「最近、親戚に子供が生まれたので、子供向けサービスに興味がわいた」といった小さな火種でも良いのです。何かしらの火種がなければ、興味という火は起こせません。

プロダクト・サービスへの関わらせ方はタイプ別で検討する

リクルート社のホットペッパー事業において、「自分が事業を立ち上げた」と感じる人が多いという話があります。このことは、全員が事業の改善や改革にコミットしていた証拠です。興味・関心の高い人を採用した後は、ホットペッパーのような状態を作るために、さまざまな工夫が必要です。
今回は、「個人」に焦点を当てた工夫について書きたいと思います。人はコミットを高めるスイッチが異なります。スイッチに合わせたアプローチを取ることが重要です。

例えば、感謝されることでコミットメントが高まる人(「守備型」)と、褒められることでコミットメントが高まる人(「攻撃型」)がいます
さらに、大まかな課題を渡されると興味を持って取り組む人と、明確なガイドラインがある仕事を好む人の違いもあります。これは、業務やスキルの習熟度に依存しています。
例えば、若手にいきなり大きな機能改善の課題やビッククライアントのカスタマーサクセスミッションを与えても、対処できず効力感が失われる可能性があります。

タイプ別アプローチ

前述のタイプをマトリクス化すると上記のようになります。
タイプ別に渡す課題の難易度やサポートの仕方を変えることです。もちろん成果が出ることが前提ですが、タイプ別にアプローチすることで各メンバーがプロダクトやサービスに関わる意思決定を自分自身で行えたと感じられるようになります。これが「自分たちがプロダクトやサービスを作り上げている」という感覚につながります。

おわりに

私たち一人ひとりのエンゲージメントが、組織全体のエネルギーとなり、最終的にはお客様へのサービスの質を上げます。今回紹介したようなタイプ別のアプローチを取ることで、それぞれの個性と情熱を最大限に活かし、お客様に最高の体験を提供できると私は信じています。
カスタマーサクセスの世界は、常に変化していますが、その中で私たちが持つプロダクトへの愛着は非常に大事だと思っています。

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