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フーリガンには厳しく対応を

 日本サッカー協会は、サポーターによる暴力行為があったことから浦和レッズの来季天皇杯への参加資格を剥奪した。J1の人気チームが天皇杯に出られなくなる、という重い処分に驚いた。

 問題になった8月の名古屋における暴力行為の映像をニュースで見たが、なるほどこんな行為を放置してはいけない。これはもう「日本のフーリガン」であり、「あんなのが暴れているならスタジアム観戦なんて行きたくない」となれば、スポーツ文化を抹殺する行為である。

 協会は「みずからの行為がクラブに招いた結果の重大性をしっかりと受け止めてほしい」としている。これだけ重大な結果になることを知らしめたことは、再発防止に大いに効果があるだろうから、大賛成である。ごく一部の人間の暴力によって観戦・応援の機会を奪われた「普通のサポーター」の心情はいかばかりか。

 それにしても、どうしていつもレッズのサポーターばかりが問題を起こすのか。

 「割れ窓理論」というものがある。「1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまう」というもので、浦和サポーターの暴力行為は似たような体質の人間を集めてしまっているのではないか。

 かつては熱狂的な阪神タイガースファンの行為が問題になっていた。85年の優勝時は道頓堀に飛び込む者が続出、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース像も放り込まれ、その後の低迷期には「カーネル・サンダースの呪い」と呼ばれたものだ。

 当時ある社会学者が「こうした行為をマスコミが面白おかしく伝えるから、『阪神ファンなら何をやってもいいんだ』という空気が醸成されてしまっている」と喝破していて、「なるほどなあ」と思ったものだ。

 今年の阪神優勝の夜、大阪府警は道頓堀にものすごい数の警察官が集結させた。そして見た範囲ではマスコミも過激な行動を煽るような伝え方はしていなかったように思う。

 違反行為は徹底的に取り締まる。そして厳罰を用意する。当たり前のことを当たり前にやるのが大切なのだと改めて思う。
(23/9/20)

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