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“推し”のある生活

 「推し活」なるワードが流行ったのはいつからだろう?2020年1月に宇佐見りん「推し、燃ゆ」が芥川賞を受賞したことでさらに認知度があがったのかもしれない。大好きなpodcast「OVER THE SUN」のおばさんトークでも「推し」は鉄板のトピックスだ。「趣味」とは若干ズラしたニュアンスが込められているのが面白いのだろうな。

 対象はなんでもいいようだ。

 一般的にはアイドル(ジャニーズなどの超メジャーだけでなく地下アイドルなど裾野が広い)がすぐに思いつく。しかし、お笑い芸人、プロレスラー、You Tuber、アニメキャラ、仏像、、、など、森羅万象なんでも「推し」になる時代だ。

 最近の私にはDeNAベースターズの応援がそれに当たるのではないか、と気づいた。成績が好調なだけに、今シーズンはさらに応援に熱が入っている。勝ち負けだけでなく、選手や監督の動静に一喜一憂する。それが楽しい。

 ハマスタにはもう何年も行っていないしネットの有料コンテンツに加入するわけでもないので、球団にとっては“最低のお客さん”だ。金銭面で応援してこそ「推し」だろう、が常識だろうが。

 有料コンテンツには縁がなくても、テレビ放送(BSが多い)があればいそいそとチャンネルを合わせる。金曜日からハマスタの対巨人3連戦はBS-TBSが中継をやっていて、ここまで2連勝。復帰した宮﨑が絶好調で打線が爆発したので、楽しくて仕方がない。きょうも17時プレイボール、3連勝に期待である(午前執筆)。

 気がかりなのがバウアー投手の負傷だ。ピッチングだけでなく、野球への姿勢、愛情、他チームを含めた選手へのリスペクト、オタクっぽさ、など話題をたっぷり提供してくれている。敗戦処理で1イニング10失点した対戦相手の投手に対し、ヒーローインタビューの冒頭で応援コメントをしたのには泣かされた。オールスターのプラスワン投票でも圧倒的な支持を得て出場を果たすなど、今シーズンの記憶に残る選手だ。DV疑惑でのメジャー出場停止処分というスキャンダルがすぐに結びつかないほど。

 腸腰筋損傷で「今シーズンは絶望か」との報道もある。おいおい、来季もウチにいてくれるかどうかまったくわからないので「ああ、早めにハマスタへ行って“生バウアー”を応援しておきゃよかったな」と思うが、これは後の祭りなのだった。

 きょうは相手にどう立ち向かうかな?牧の打点王争いと宮﨑の首位打者争いは?次の先発は誰かな?テレビ中継はあるかな?

 おじさんの生活にこんなワクワク感した彩りを与えるものは、他にない。ああ、シーズンオフってどうやって過ごせばいいのだろう?
(23/9/3)


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