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“本を贈る”ということ

久しぶりにその単語を見た

スマホをダラダラ見ていたところ、久しぶりに「サン・ジョルディ」という単語を見かけた。どういう記事だったのかは忘れたが。

学生のころに「プレゼントに本を贈ろう」と呼びかける「サン・ジョルディの日」というキャンペーンが始まった。4月23日だという。Wikipediaによるとスペイン・カタルーニャ地方のキリスト教の聖人が殉死した日にちなむもので、彼の地では本や花を贈る習慣があるそうだ。日本では1986年に日本書店商業組合連合会などが始めたということで、そういえば当初は日付が近づくと書店にポスターが掲示されたりしていたものである。

やっぱり定着は難しかった

もちろん母の日やバレンタイン商戦をヒントにしたものだろう。読書好きな友人の間で話題になったが、異口同音に「定着するのかな?」と懐疑的に見ていた。読書というものは極めて個人的な趣味の世界の探求であって、花やチョコレートのように「単純にもらって嬉しい」というものではない。興味のない本はたとえ貰っても読まないだろうし、かといって捨てられないので置き場所にも困る。すでに所有していたタイトルがダブっても困るのだ。

「面白かったから読んでみて!」という気持ちは純粋に嬉しい。“本の蟲おやぢ”の私も親しい友人と情報交換は行うが、「いきなり贈呈」まではやらないところ。頻繁に会える関係ならば貸し借りすることでいいかもしれないが、それでは売り上げアップにはならないのか。

苦戦が続く出版業界と書店業界をなんとか応援したいところだが、いいアイデアも浮かばない。やっぱりコンテンツ自体の魅力をあげるという王道しか手立てはないのか。
(21/9/10)


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