「卓球虎の穴」
カミさんは、近所にある公共体育館開催の卓球教室からすっかり“沼”にハマッた。区の大会や私設の練習会などにいそいそと通うほか、テレビの卓球番組もせっせと録画している。仲間ができて楽しそうだし、健康にもいいだろう。
先日、ある卓球番組をなんとなく一緒に見ていた。ナレーションが「〇〇は有名選手も多数在籍する名門で、まさに“卓球虎の穴”です」と紹介する。
うう、懐かしいなあ「虎の穴」。
梶原一騎原作「タイガーマスク」に登場するレスラーの修行道場の名前だ。あらためてWikiをチェックすると「悪役レスラー養成機関」とあって、善玉側のタイガーマスクもここの出身、だから虎のマスクを被ってるのか。
しかし、昭和プロレス漫画のひとつにしか過ぎない名称設定がそんなに一般的なのだろうか?気になったのでカミさんに聞いてみる。
「さっきのナレーションで“虎の穴”って言ってたけど、それ、何のことか知ってる?」「まったく、知らない」「『タイガーマスク』に出てくるレスラー養成道場でね、、、、」と説明してやるが、まるで興味がないようす。
昭和のおばさんですらわからないのだ、ましてや、いまの若いモノたちがそのオリジナルを知るわけもない。にもかかわらず、「厳しい訓練を課す道場の象徴」にしれっと納まっているのだ。
「虎の穴」。あらためて読むと、なんだかとにかく凄いイメージだ。
漫画チックで荒唐無稽な言葉使いの妙味というものは、こうしてしっかり伝播していく。なんとも味わい深いものである。
(23/3/2)
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