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権力の魔力なの?

 アメリカのオースティン国防長官の危機管理問題がニュースになっている。

  なるほど。入院や全身麻酔による手術をバイデン大統領が知らされないままだったというのは信じられないような危機管理の甘さだ。アメリカ軍の最高司令官は国防長官ではなく大統領だとしても、ウクライナや中東でこれだけ緊迫している中で担当の閣僚が“こっそり”いなくなっているとはどういうことなのか。
 
 オースティン氏は陸軍士官学校を卒業、軍歴の最後はアメリカ中央軍の司令官にまで登りつめた生粋の軍人だ。危機管理の大切さなどは骨の髄まで知っているだろう。
 
 やはり軍出身で、かつてブッシュ政権の国務長官を務めたコリン・パウエル氏が回顧録に「意思決定の場から外されるのではないかとビクビクした」という記述があったと聞いたことがある(私は回顧録は未読)。
 
 どんな事情があったのか、本人はどう判断していたのか、知るべくもない。それでも「権力の中枢にいること」は、危機管理の基本をないがしろにしてまでしがみつきたいほど魅力的なことなのか、と思ってしまった。
(24/1/12)


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