ババ抜きのババを引いたような・・・
ここでも何回も書いてきたが、とにかく現金を使う機会が激減している。私はLINE Pay、Pay Pay、Suica、iDをスマホに入れているので、ほとんどのシチュエーションで対応してくれる。
わずかに残った現金の出番は、寺社のお賽銭・古いタイプの自販機(オフィス廊下の飲料自販機がこれ)・割り勘精算でのやりとり、くらいだろうか。あ、先日外国人を京都に案内してきた後輩が「お寺の拝観料とか軒並み現金だけなんで、外人客が目をシロクロさせていました」と笑っていたな。
何かの拍子に小銭をジャラジャラ掴まされてしまうと、なにしろ使う場面がないためにいつまで経っても小銭入れのメタボ状態が解消されない。物理的に重くなって鬱陶しいので、休日は基本的に小銭入れを持ち出さない。
ある日、「少しリストラしてやろう」と会社の自販機に500円玉を投入したところ、「スコーン」とスルーされて落ちてきた。よく見ると新500円硬貨だ。キャッシュレスに対応しないような旧型の自販機は、こっちも受け付けるつもりがないのであった。小銭入れには2枚も鎮座しているではないか。
こうなると意地でも使い切ってしまいたい。
「コンビニなら受け取るだろう」と、コーヒーとパンを購入した際にいそいそとその新500円硬貨を精算機に投入。しかし会計金額が261円で、あいにく端数の1円玉の持ち合わせがなかったため、さらにジャラジャラと釣り銭が落ちてきた。泣きたくなった。
そういえば、あっという間に新規の製造を中止した“超不人気紙幣”が二千円札だ。沖縄サミットを記念して発行したという経緯から沖縄県ではそこそこ流通していると聞いたことがあるが、こちらも、もし手元に回ってきちゃったらババ抜きでババを引いちゃったような気分になるぞ。ほとんどのマシンは受け入れてくれないだろうし、コンビニレジの若者や外国人バイトは「偽札だ」と勘違いするだろう。
いや、いまや絶滅寸前のレアな品種だ。しげしげと眺めたうえで財布にしまうことになるのか。
日本銀行が現在でも使用を認めている紙幣を「現行紙幣」という。明治に発行された1円札だって使っていいことになっている。
昭和30年代末に生まれた私は板垣退助の100円札を見た記憶がうっすらある程度。実際のところこいつらはコンビニなどで額面通りに使われるよりも、趣味の古銭としての価値が上回るのだろう。
日銀のホームページによると、二千円札は「現在発行されている銀行券」に区分されている。「製造はしていないが、発行はしている」というビミョーな立ち位置に置かれているのだな。
きょうは雑学風の記事になって、書くのが楽しかった。
(23/4/2)
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