商売の魂

 週末。ダラダラと惰眠を貪って読書の時間を削ってはもったいないので、平日と同じタイミングで起きて行動を始める。いや、心配せずともトシを取ってくると自然に目が覚めてしまうだけだ。けさはトイレからの二度寝に失敗して3:55に起床した。

 風呂の浴槽を洗ったり、筋トレ・ストレッチをやったり、レコーダーのチャンネル録画をチェックしたり、新聞を眺めたり、SNS「読書メーター」のタイムラインを追ったり。きょうの朝食はジョギングを兼ねて近所の「ゆで太郎」の朝そばだ。

 その後は近所の複合ビルロビーでnoteの下書きがルーティンだ。macbookと本を抱えて自宅を出て、コンビニでコーヒーを購入する。

 コンビニの売り場ですっかり様変わりしたのが新聞と雑誌のラックだ。どの店でも片隅に追いやられて、「ま、仕方なく置いてますけど」という風情になった。

 コーヒーにフタをしながらぼんやりと新聞ラックを見ていて驚いた。

 ラック上部に置いてあったのはサンケイスポーツの「東京五輪特集号」だ。2021年夏に発行されたものに違いない。よくぞ2年近くもこんなところで生きながらえていたものだ。ちなみに「WBC特別号」は見当たらなかった。

 3大メジャーコンビニのひとつが東京23区に構えている店舗である。最新の商品を毎日差し替えている新聞ラックでこんなことが放置されてしまうとは、どういう思想で売り場を“造っている”のだろうか。

 ダイエーが経営破綻した際に「多角化路線によって売り場が荒れ、客が離れた」という分析を読んだことがあった。私の生活圏内にはダイエーがなかったので「荒れた」というのが具体的にどのような事態なのかわからず、ちょっと気になっていたのを思い出す。

 ダイエーに限らず、小売店ではポリ袋が切れていたりゴミ箱がいっぱいだったり買い物かごやカートが所定の場所になかったりすれば、ちょっとした不快感を味わうことになる。そしてそれが積もってくれば、客離れになってしまうのだろうな。売り場は小売店にとってまさに主戦場、客商売は大変である。

 さて、サンスポ特別号の“化石”が埋まっていた件のコンビニ。そのような「疑惑の目」で店内を見回してみても、それ以外の売り場はいたって普通だ。レジのマシンは現金を投入する最新タイプで、品揃えも申し分ない。

 そうか、コンビニにとって新聞ラックとはことほど左様に「いちいち注意深く管理する気にもならないほどのどうでもいい捨て枠」になってしまっているのだな。こんなところにも紙媒体の先行きが暗示されている気がした次第。
(23/4/9)

 


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